20 February.
犬が誤飲した!動物病院に行くべき場合と対処法
犬が誤飲したときの「今すぐ病院へ行くべきサイン」から、「うんちで出るのを待ってもいいケース」、「絶対にやってはいけないNG対処法」まで解説します。

「えっ、今何か飲み込んだ!?」 愛犬と暮らしていると、一度はヒヤッとする瞬間がありますよね。おもちゃの破片、落ちていたプラスチック、あるいは「これ食べても大丈夫なの?」という食べ物まで。
愛犬がパクッとやってしまったとき、パニックになるのは当然です。でも、まずは深呼吸。この記事では、「今すぐ病院へ行くべきサイン」から、「うんちで出るのを待ってもいいケース」、「絶対にやってはいけないNG対処法」まで徹底解説します。
愛犬の命を守るために、今あなたがすべきことを一緒に確認していきましょう。
こんな時は迷わず夜間救急・動物病院へ!

「様子見で大丈夫かな?」と迷う時間は、時に命取りになります。以下の症状や状況に当てはまる場合は、この記事を読み進める前に、まずはかかりつけの病院に電話してください。
呼吸が苦しそう、チアノーゼ(舌が紫)が出ている
愛犬の呼吸が荒く苦しそうな場合、飲み込んだものが喉や気管を塞いでいる可能性があり、1分1秒を争う非常に危険な状態です。
今すぐ確認すべき危険なサイン
- 呼吸が異常に荒い、または「ゼーゼー」と苦しそうにしている
- 舌や歯茎の色が青紫っぽくなっている(酸素が全身に行き渡っていない「チアノーゼ」の症状)
想定される重大なリスク
- 脳への深刻なダメージ
- 窒息死の危険性
飼い主さんがすぐに取るべき行動
- たとえ愛犬に意識があっても、すぐに夜間救急や近くの動物病院へ駆け込む
- 移動中や出発前に電話を入れ、「誤飲してチアノーゼが出ている」と必ず伝える(到着後すぐの処置に繋がります)
- 飼い主さん自身がパニックにならず、安全運転で病院へ向かう
激しい嘔吐を繰り返している
短時間に何度も吐き続ける、あるいは吐こうとするのに何も出ないといった状態は緊急事態です。「様子見」をせず、即座に動物病院を受診してください。
今すぐ確認すべき危険なサイン
- 何度も何度も激しく吐く仕草を繰り返す
- 食べたものだけでなく、胃液(透明・白)や胆汁(黄色い液体)まで吐き続ける
- 吐こうとしているのに何も出てこない(胃捻転などの重篤な病気の可能性)
想定される重大な病気とリスク
- 腸閉塞:飲み込んだものが胃の出口や腸に完全に詰まっている状態
- 放っておくと腸が壊死(えし)したり、お腹の中に細菌が漏れ出したりして命に関わります。
飼い主さんが取るべき行動
- 「さっき吐いたからもう少し様子を見よう」という判断は絶対に避ける
- 短時間に複数回吐く、または空吐きをしている場合は、すぐに動物病院へ連れて行く
ぐったりして意識が混濁している
愛犬の元気がなく急激に状態が悪化している場合は、体が悲鳴を上げている証拠です。1分1秒を争うショック状態の可能性があるため、直ちに救急受診してください。
今すぐ確認すべき危険なサイン
- 名前を呼んでも反応が鈍い、または全く反応しない
- 足元がフラフラしてまともに歩けない
- 体の力が抜けたようにぐったりして動かない
想定される原因とリスク
- 誤飲による深刻な「中毒症状」
- 急激な血圧低下などによる「ショック状態」
- 特に薬物、タバコ、化学物質などは体への吸収が早いため、さっきまで元気だったとしても一気に重篤化するリスクがあります。
病院へ向かう際の重要な対策
- 一刻も早く動物病院、または夜間救急へ連れて行く
- 原因を特定し治療をスムーズにするため、「何を・どのくらい飲み込んだか」が分かるもの(残骸やパッケージなど)を必ず持参する
毒性の強いものを飲んだ
犬にとって明らかな毒物を飲んだ場合は、現時点で症状が出ていなくても「即病院」が鉄則です。症状が出てからでは解毒が間に合わないことがあります。
特に危険な犬にとっての毒物
- タバコ(※特にタバコを浸した水は吸収が非常に早く、数分で命に関わります)
- 人間用の薬
- 保冷剤(エチレングリコールが含まれるもの)
- 殺鼠(さっそ)剤
- 大量のチョコレート
- ネギ類(玉ねぎ、長ねぎなど)
症状がなくてもすぐ病院へ行くべき理由
- これらの物質は、体内に吸収されてから時間差で内臓に深刻なダメージを与え始めるため
- 「今は元気だから大丈夫」という飼い主さんの判断が最も危険なため
病院へ向かう際に行うこと
- 一刻も早く動物病院、または夜間救急へ向かう
- 獣医さんの的確な処置に繋げるため、「何を」「いつ」「どのくらい」飲んだかをメモ、または現物を持参する
鋭利なものを飲み込んだ
竹串、つまようじ、魚の骨、ネジ、画鋲、割れたプラスチックなどを飲み込んだ場合は、「うんちで出るかも」と様子を見たりせず、必ず動物病院に行ってください。
想定される深刻なリスク
- 鋭利なものが「食道や胃腸を突き破ること(穿孔:せんこう)」
- 消化管に刺さることで生じる激痛
- 腹壁や胸腔に穴が空き、命に関わる「腹膜炎」などの重篤な合併症の引き起こし
自宅で絶対にやってはいけないNG行為
- 無理に吐かせようとすると、 逆流する際、鋭利な部分が食道や喉をさらに深く傷つけるため絶対に厳禁です。
病院での主な対応と処置
- レントゲンやエコー検査で、異物の現在地を正確に確認する
- 内視鏡や外科手術を用いて、これ以上内臓を傷つけないよう慎重に取り出す
犬が誤飲したかどうかわからない…そんな時の見極め方

「飲み込んだ現場は見ていないけれど、〇〇が足りない」という状況も多いはず。
そんな時の判断基準をまとめました。
誤飲直後のサイン
「食べた瞬間を見ていないけれど怪しい」という時は、ワンちゃんの以下のような仕草や動作に注目してみましょう。
喉の違和感を示すサイン
- しきりに「カカカッ」と咳き込む
- えづくような動作をする
口の中に異物があるサイン
- 前足で口を何度もかく
- 大量のよだれを流す
不安や痛みのサイン
- ソワソワして落ち着きがない
- 部屋の中をウロウロと歩き回る
発見した際の初期対応と注意点
- これらの動作が見られたら、まずは口の中を優しくチェックする
- 奥にあるものを無理に取ろうとしない(奥へ押し込んでしまう危険があるため、見えない場合はそのまま触らない
症状が出るまでの時間はどれくらい?
誤飲してから症状が出るまでの時間は、物の種類やサイズによってバラバラです。時間差で危険な状態になることもあるため、タイムラグを理解しておくことが大切です。
中毒物質(タバコ、人間用の薬など)
- 数分〜数時間で急激に症状が出る(吸収が早いためスピード勝負になります)
固形物(おもちゃ、プラスチック、布など)
- 胃にある間:意外と「無症状」で普段通り元気に過ごすことが多い
- 腸に移動した時(数時間〜3日以内):嘔吐や食欲不振などの異変が現れ始める
- 腸に完全に詰まった時(腸閉塞):激しい嘔吐が始まり、1日〜2日で急激に衰弱する
「1週間経ってから急に吐き始めた」というケースも稀にあるため、怪しいと思ってから最低でも3日間は様子を確認する必要があります。
犬が誤飲したものは「いつ、どうやって」出てくる?

犬が誤飲したものは「いつ、どうやって」出てくるのでしょうか?
うんちに出るまで何日かかる?
食べたものが体を通って外に出てくるまでの時間は、犬の大きさや体調によって異なりますが、通常の食事とは違う動きをすることがあるため注意が必要です。
通常の消化・排泄にかかる時間
- 通常は12時間〜24時間程度(早ければ半日後、遅くとも翌日のうんちには混ざる)
誤飲特有の「胃に留まる」リスク
- 誤飲した異物は、胃の中で数日間〜1週間以上も留まり続けてしまうことがある
- いつまでも排泄されず、ある日突然、何かの拍子に腸へ流れて詰まってしまう(腸閉塞の)リスクがある
病院を受診する目安
- 3日経ってもうんちに出てこない場合
- かつ、異物を飲み込んだ心当たり(可能性)が消えない場合
- 一度動物病院でレントゲンを撮ってもらうのが安心です
うんちで出る大きさの目安
「どれくらいの大きさなら自力で出るのか」は愛犬の体の大きさによって異なりますが、形状によっては小さくても危険な場合があります。
自力で排出しやすいサイズ感の目安(丸っこい形の場合)
- 普段食べているドッグフードの粒より一回り大きいくらいまで
- 超小型犬:1cm未満の滑らかな物
- 大型犬:数cm程度の滑らかな物
サイズに関わらず自力での排出が危険な形状
- 薄くて尖ったもの(プラスチックの破片など)は腸の壁を傷つける恐れがある
- 長いもの(紐、糸、リボンなど)は 腸をアコーディオンのように手繰り寄せて激しい損傷を与える恐れがある
「小さいから大丈夫」とサイズだけで安全だと決めつけず、形や素材も合わせて危険性を判断しましょう。
自宅で吐かせるのは絶対NG!やってはいけない対応は?

良かれと思ってやったことが、愛犬を苦しめる結果になることも。
無理やり吐かせる(塩水やオキシドール)
ネット上で見かけることがある「自宅で無理に吐かせる手法」は非常に危険です。誤飲以上の重大な二次災害を引き起こすため、絶対にやめてください。
「塩水を飲ませる」のが絶対にNGな理由
- 大量の塩分を急激に摂取させることで「食塩中毒」を引き起こす
- 脳に深刻な障害が出たり、最悪の場合は命を落としたりする極めて高い危険があります。
オキシドール(過酸化水素水)を飲ませるのが推奨されない理由
- 犬の胃粘膜を激しく荒らし、重い胃潰瘍や出血を引き起こすリスクがある(現在は獣医療でも推奨されていません)
自宅で無理に吐かせる共通のリスク
- 吐かせようとした際に、吐いたもの(吐瀉物)が誤って気管に入ってしまう恐れがある
- 激しい呼吸困難や「誤嚥性(ごえんせい)肺炎」を引き起こし、誤飲そのものより重篤な状態に陥ることがあります。
「そのうち出る」と一週間放置する
「元気そうだから大丈夫だろう」と一週間様子を見るのは非常に危険です。誤飲は、ある日突然命に関わる事態へと急変する怖さがあります。
「最初は元気」という落とし穴
- 異物が胃にある間は元気なことが多いため油断しやすい
- しかし、ある日突然、異物が腸へ移動して「腸閉塞」を起こし、容態が急変するリスクがある
脳閉塞が引き起こす恐ろしいリスク
- 腸に異物が詰まると、その部分の血流がストップする
- わずか数時間で腸が壊死し始める
重症化した場合の手術と危険性
- 壊死した腸を切り取って繋ぎ合わせる「大規模な外科手術」が必要になる
- 体への負担が非常に大きく、手術をしても死亡してしまうケースが少なくない
もし一週間経っても異物が出てこないなら、それは「出てこない理由」が胃や腸にあるということ。手遅れになる前に受診してあげてくださいね。
まとめ:愛犬を守れるのは飼い主さんだけ
犬が誤飲した時の対処法について解説しました。ポイントを振り返りましょう。
- チアノーゼ、激しい嘔吐、意識混濁、毒物・鋭利な物の誤飲は、様子見せず「一刻も早く」夜間救急や動物病院へ
- 誤飲直後は咳き込みやよだれ、ウロウロする仕草が見られ、異物が胃にある間は元気でも、腸に詰まると(数日内)急変する
- 通常の排泄は12〜24時間だが、異物は胃に留まりやすいため、3日経ってもうんちに出ない場合は病院で検査する
- 紐や糸などの長いもの、薄く尖ったプラスチック破片は、サイズが小さくても胃腸を傷つけるため自力排出を待つのは危険
- ネットにある「塩水やオキシドールを飲ませて自宅で吐かせる」のは、食塩中毒や重い胃潰瘍、窒息を招くため絶対にNG
愛犬が誤飲したかもしれないとき、一番大切なのは「早めの相談」です。犬は言葉で「苦しい」「お腹が痛い」と伝えられません。
「元気があるから」「まだ数日しか経ってないから」と自己判断で放置せず、少しでも不安ならまずは動物病院に相談しましょう。
著者
DogLife編集部



