20 February.
犬の暑さ対策はどうしたらいい?室内・屋外・お留守番時は?
この記事では、室内・屋外・お留守番時・夜間など、シチュエーション別の暑さ対策を徹底解説します。

暑い季節がやってくると、私たち人間以上にソワソワしちゃうのが愛犬の体調管理ですよね。「ハアハア」とパンティングが激しくなると、「あ、暑いのかな…?」と心配になるのも飼い主の性。
実は、ワンちゃんは汗腺が足の裏(肉球)くらいにしかないので、体温調節がとっても苦手なんです。
この記事では、室内・屋外・お留守番時・夜間など、シチュエーション別の暑さ対策を徹底解説します。エアコンを使わない場合の工夫や、おすすめの最新グッズも紹介するので、愛犬との夏を安全に楽しむための参考にしてくださいね!
なぜ犬は暑さに弱いの?知っておきたい体の仕組み

犬の暑さ対策を考えるとき、まず私たちが知っておかなければならないのは、彼らの体温調節の仕組みが人間とは根本的に違うという点です。人間は暑さを感じると全身から汗をかきますよね。その汗が風に当たって蒸発するときに熱を奪ってくれる「気化熱」のおかげで、私たちは体温を下げることができます。
ところが、犬は全身で汗をかくことができません。彼らが汗をかけるのは足の裏にある肉球などのほんの一部だけで、基本的には大きな口を開けて「ハアハア」と息を吐くパンティングによってしか、熱を逃がす手段を持っていないのです。このパンティングは、小さなラジエーターひとつで全身の熱を冷まそうとしているようなもので、人間に比べると驚くほど効率が悪い仕組みだと言わざるを得ません。
また、犬ならではの体のつくりも暑さには不利に働いてしまいます。全身を覆っているふわふわの毛は、冬には最高の防寒着になりますが、夏場は熱を溜め込んでしまう断熱材のような役割をしてしまうからです。
特にアンダーコートを持つダブルコートの犬種は、内側に熱がこもりやすく、一度上がってしまった体温を下げるのは一苦労です。さらに見落としがちなのが、地面との距離感ではないでしょうか。犬は人間よりもずっと低い位置で生活しています。
アスファルトからの強烈な照り返しをダイレクトに受けてしまうため、私たちが「今日は少し風があって涼しいな」と感じているときでも、地面に近いワンちゃんの周囲は熱風がよどんでいて、体感温度が5度以上も高いことがよくあります。
このように、犬は「熱を吸収しやすく、冷えにくい」ことを、私たち飼い主はしっかり理解してあげなければなりません。
【室内編】快適に過ごすための温度と環境づくり

家の中にいれば絶対に安心、とつい思いがちですが、最近の日本の夏は室内での熱中症もかなり増えています。
外に出ていないから大丈夫と過信せず、愛犬が一日中ゴキゲンに過ごせるような空間づくりを意識してみましょう。
室内温度の管理には、やはりエアコンが1番です。一般的に犬にとって快適な室温は22度から26度くらいと言われていますが、これもあくまで目安のひとつにすぎません。
毛の長さや体の大きさ、それに年齢によっても心地よい温度は変わってきます。
特に子犬やシニア犬は、自分で体温をコントロールする力が未熟だったり弱まったりしているため、夏は25〜26℃をキープするようにしてください。
エアコンの設定温度と湿度の目安
エアコンの設定で、温度と同じくらい、あるいはそれ以上に大切にしてほしいのが「湿度」です。
先ほどお伝えした通り、犬はパンティングによる水分の蒸発で体温を下げていますが、空気中の湿度が高いと、この蒸発がうまくいかなくなってしまいます。
湿度が60パーセントを超えてくると、たとえ室温が適正であっても、犬にとってはかなり蒸し暑く、熱が体にこもりやすい環境になってしまうのです。
理想的な湿度はだいたい50パーセント前後を目指しましょう。ジメジメする日には、冷房だけでなく除湿機能をうまく組み合わせるのがコツです。
また、冷たい空気は部屋の下の方に溜まる性質があるため、私たちが感じている温度と、ワンちゃんが寝そべっている場所の温度にはかなりの差が出ます。できれば犬の目線の高さに温湿度計を置いて、実際の数字をこまめにチェックしてあげると、設定のしすぎや不足を防ぐことができますよ。
エアコンなしで乗り切る工夫
基本はエアコンに頼るのが一番いいですが、エアコンなしでも対策は可能です。
たとえば、
- 窓から入ってくる直射日光を遮る
- 遮光カーテンを閉める
- 窓の外側にすだれやサンシェードを設置する
- ひんやりしたアルミプレートや大理石マットを置いてあげる
などの対応がおすすめです。
室内でやりがちなNG行動

室内でよかれと思ってやってしまいがちなのが、扇風機の風を直接ワンちゃんに当て続けることです。
人間は汗をかいているので扇風機の風で涼しくなれますが、汗をほとんどかかない犬にとって、扇風機の風はただ「ぬるい空気を当てられているだけ」という感覚になりがちです。
それどころか、長時間風が当たり続けることで被毛や皮膚が乾燥してしまい、別の体調不良を招くこともあります。
扇風機やサーキュレーターを使うなら、直接当てるのではなく、部屋の上の熱い空気と下の冷たい空気を混ぜ合わせる「空気の循環」のために使うのが正解です。
【お留守番編】もしもの停電や故障に備える

共働きのご家庭などで、愛犬を一人でお留守番させる時間は、飼い主さんにとっても気がかりなものですよね。
外出中は異変にすぐ気づいてあげることができないからこそ、もしものトラブルへの備えがすべてを決めると言ってもいいでしょう。
エアコンの「つけっぱなし」が基本
お留守番のときは、エアコンをつけっぱなしにするのが鉄則です。
「電気代がもったいないかな」と数時間だけ消したり、タイマーで切れるように設定したりするのは、最近の猛暑ではおすすめできません。
実はエアコンは起動するときに一番電気を使うので、設定温度を一定にしてずっと動かしておくほうが、結果的に節約になるんですよ。
また、意外と見落としがちなのがリモコンの置き場所です。いたずら好きな子がリモコンをカミカミしてしまったり、たまたま上を歩いたときにスイッチを切ってしまったりという事故が実際に起きています。
リモコンは必ず、ワンちゃんの手の届かない高い場所や引き出しの中に片付けるようにしましょう。
停電・故障リスクへの備え
最も怖いのは、外出中に急な雷雨などで停電が起き、エアコンが止まってしまうことです。
停電から復旧しても自動で再起動しないタイプも多いため、注意が必要です。
そんなリスクに備えて、最近注目されているのがスマートリモコンの活用です。これを使えば、外出先からスマホで今の室温を確認したり、必要なら遠隔操作でエアコンをつけ直したりすることができます。
ペットカメラを置いて、愛犬がハアハアと苦しそうにしていないか映像で確認できるようにしておけば、さらに安心感は増しますよね。
万が一、室温が異常に上がっていることが分かったときに備えて、近所に住む親戚や知人に連絡し、鍵を開けて様子を見に行ってもらえるような緊急時のネットワークを作っておきましょう。
おさんぽの時間と暑さ対策

夏場のお散歩は、単なる運動というよりも「いかに熱を避けて歩くか」という作戦会議のようなものです。太陽がギラギラしている日中にお散歩へ行くのが危ないのは言うまでもありませんが、日が沈んだ後も油断はできません。
散歩に行くべき時間帯
夏のお散歩のベストタイムは、なんといっても太陽が昇りきる前の早朝です。
5時から6時台であれば、空気もまだひんやりとしていて、地面も夜の間に冷やされているので、肉球への負担を最小限に抑えられます。
一方で、夜のお散歩には少し慎重になりましょう。日が落ちて1時間くらいでは、日中にたっぷり熱を吸い込んだアスファルトはまだ「熱い鉄板」のような状態です。
飼い主さんが自分の手の甲を地面に5秒間当ててみて、熱いなと感じるならまだ早いサインです。特に建物が密集している都会では地面が冷めにくいので、夜8時や9時を過ぎてからゆっくり出発するくらいの気持ちでいて、ちょうどいいかもしれません。
散歩中の暑さ対策グッズ
外出のときに心強い味方になってくれるのが、さまざまな冷却グッズです。
水で濡らして着せるタイプのクールウェアは、水が蒸発するときの力を利用して体温の上昇をゆるやかにしてくれます。
最近では保冷剤を入れられるポケット付きのバンダナやハーネスも人気ですが、これらは首周りの太い血管を効率よく冷やせるので、とても理にかなったアイテムです。また、どうしても地面の熱が気になるときは、ワンちゃん用の靴やブーツを試してみるのもひとつの手です。
肉球の火傷を防ぐだけでなく、地面からの熱を物理的にシャットアウトしてくれます。ただし、靴を嫌がる子も多いので、涼しい時期から家の中で少しずつ練習して、慣らしておいてあげるとスムーズですよ。
寝苦しい夜の暑さ対策

昼間の暑さで疲れた体をしっかり休ませるためには、夜の快適な寝床づくりも欠かせません。
夜になっても気温が下がらない熱帯夜は、人間と同じようにワンちゃんも寝不足になりやすく、それが夏バテの原因になってしまいます。
寝床の配置を見直す
冷房をつけて寝る場合、冷たい空気は下に溜まるので、床で寝ているワンちゃんは私たちが思っている以上に冷えを感じていることがあります。エアコンの風が直接当たってしまう場所にケージやベッドがあると、体が冷えすぎてお腹を壊してしまうことも。
理想は、風が直接当たらない壁際や、ちょっとした仕切りのある場所に寝床を作ってあげることです。
もし愛犬がベッドを使わず、フローリングの冷たさを求めてあちこち移動して寝ているなら、それは今の寝床が暑すぎるというサインかもしれません。
ベッドの上に接触冷感素材のマットを敷いたり、風通しの良いメッシュタイプのベッドを用意したりして、本人が一番心地よいと感じる場所を選ばせてあげましょう。
湯たんぽの逆バージョン「氷たんぽ」
夜に手軽にできる冷却方法としておすすめなのが、ペットボトルに水を入れて凍らせた「氷たんぽ」です。
これをタオルや厚手の靴下でぐるぐる巻きにして寝床のそばに置いておくと、ワンちゃんは暑くなるとその隣に、冷えすぎると離れるといった具合に、自分でちょうどいい距離感を保つことができます。
市販の保冷剤と違って、中身がただの水なので、万が一カミカミして中身が出てしまっても安心なのが嬉しいポイントです。
ただ、結露で布団が濡れてしまうと皮膚トラブルの原因になることもあるので、タオルの巻き方を工夫して、ほどよい冷たさが伝わるように調整してあげてくださいね。
まとめ
いろいろな暑さ対策をお話ししてきましたが、何よりも一番大切なのは、便利なグッズを使いこなすこと以上に、愛犬が発している「暑いよ!」というサインに飼い主さんがいち早く気づいてあげることです。
ワンちゃんは言葉で辛さを伝えることができません。いつもより呼吸が速かったり、よだれがダラダラ出ていたり、呼んでもなんだか反応が鈍かったり。あるいは、歩き方がフラフラして目が充血している。そんな異変は、熱中症の初期症状かもしれません。
もし「熱中症かも」と思ったら、すぐに涼しい場所へ移し、常温のお水を体にかけたり濡れタオルで冷やしたりしながら、動物病院に連絡してくださいね。
著者
DogLife編集部



