08 April.
犬の歯茎が黒い!色素沈着と病気の見分け方・注意すべきサイン
犬の歯茎が黒いのは正常?色素沈着・歯周病・メラノーマの見分け方、病院に行くべきサイン、犬種別の特徴を獣医師監修のもと詳しく解説します。

愛犬の口の中をふと見たとき、「歯茎が黒い…これって大丈夫?」と不安になったことはありませんか?
犬の歯茎が黒い原因は、生まれつきの色素沈着で心配のないケースから、早急に治療が必要な病気のサインまで、さまざまです。大切なのは、正常な黒さと危険な黒さを見分けることです。
この記事では、犬の歯茎が黒くなる原因、病気との見分け方、病院に行くべきタイミングを詳しく解説します。
犬の歯茎が黒いのは正常?心配ないケース

まず安心していただきたいのは、犬の歯茎が黒いこと自体は珍しくないということです。心配のないケースを見ていきましょう。
生まれつきの色素沈着(メラニン色素)
犬の歯茎にメラニン色素が沈着することは、人間のほくろやシミと同じでごく自然な現象です。以下の特徴があれば、基本的に心配ありません。
- 形が整っていて平ら(盛り上がっていない)
- 境界線がはっきりしている
- 以前からあり、大きさが変わらない
- 痛みや出血を伴わない
子犬の頃は目立たなかった黒い斑点が、成長とともに濃くなることもありますが、これも正常な変化です。
犬種による特徴
遺伝的に歯茎が黒い犬種もいます。
犬種 | 特徴 |
|---|---|
チャウチャウ | 歯茎・舌・唇が青黒い(犬種の最大の特徴) |
シャーペイ | 歯茎や舌が青黒い傾向 |
柴犬 | 歯茎に黒い斑点が出やすい |
ラブラドールレトリバー | 黒い模様が歯茎に出ることがある |
ゴールデンレトリバー | 口腔内に色素沈着が見られることがある |
愛犬がこれらの犬種やそのミックスであれば、歯茎の黒さは犬種特有の特徴である可能性が高いです。
注意が必要!歯茎が黒くなる3つの病気

一方で、歯茎の黒さが病気のサインである場合もあります。放置すると深刻な状態につながる可能性もあるため、以下の3つの疾患についてしっかり理解しておきましょう。
1. 歯周病
犬に最も多い口腔トラブルが歯周病です。3歳以上の犬の約8割が歯周病にかかっているとも言われています。
歯周病で歯茎が黒くなるメカニズム
- 歯垢・歯石が溜まる
- 細菌が歯と歯茎の間に入り込む
- 歯茎に炎症が起きる(歯肉炎)
- 進行すると歯茎が赤黒く変色する
- さらに進行すると歯茎が退縮し、歯がぐらつく
歯周病のサイン
- 歯茎が赤黒く腫れている
- 口臭がきつくなった
- よだれが増えた
- フードを食べにくそうにしている
- 歯茎から出血がある
2. 悪性黒色腫(メラノーマ)
歯茎の黒い変色で最も注意すべきなのが、口腔内メラノーマ(悪性黒色腫)です。犬の口腔内腫瘍の中で最も発生頻度が高く、悪性度も高い腫瘍です。
メラノーマの特徴
- 黒いしこり状の腫れがある
- 急速に大きくなる
- 表面がただれたり、出血を伴うことがある
- 形がいびつで境界がぼやけている
- 口臭が急に強くなる
- 食欲低下、よだれ、口からの出血
メラノーマが発生しやすい部位
- 歯茎(最も多い)
- 唇
- 舌
- 口蓋(口の天井部分)
- 頬の内側
黒っぽい見た目をしていない「無色素性メラノーマ」も存在します。色だけで判断せず、しこりや腫れがあれば獣医師に相談してください。
3. その他の口腔内腫瘍
メラノーマ以外にも、以下の腫瘍が歯茎に発生することがあります。
- 扁平上皮癌: 歯茎にできる悪性腫瘍。白っぽいものから赤黒いものまで色はさまざま
- 線維肉腫: 硬いしこりとして現れることが多い
- エプリス(歯肉腫): 良性のものが多いが、大きくなると食事に影響する
色素沈着とメラノーマの見分け方チェックリスト

「うちの子の歯茎の黒さ、大丈夫かな?」と不安な方は、以下のチェックリストで確認してみてください。
正常な色素沈着の特徴
- 平らで盛り上がっていない
- 形が整っている(丸や楕円)
- 境界線がはっきりしている
- 子犬の頃からあった、または徐々に出てきた
- 大きさが変わらない
- 痛みや出血がない
病気を疑うべき特徴
- しこりのように盛り上がっている
- 形がいびつ
- 境界線がぼやけている
- 突然現れた、または急速に大きくなった
- 出血やただれを伴う
- 口臭が急に強くなった
- 食欲が落ちた、フードを食べにくそうにしている
「病気を疑うべき特徴」に1つでも当てはまる場合は、すぐに獣医師の診察を受けてください。 特にメラノーマは進行が早いため、早期発見・早期治療が非常に重要です。
愛犬の歯茎を日常的にチェックする方法

病気の早期発見のためには、日頃から愛犬の口の中を観察する習慣が大切です。
口腔内チェックのタイミング
- 歯磨きのとき: 毎日の歯磨きは最高のチェック機会
- スキンシップのとき: 顔周りを触るついでに唇をめくって確認
- おやつを与えるとき: 食べている様子を観察
チェックのポイント
- 歯茎の色: ピンク色が正常。赤い・紫・白い・黒い部分がないか
- 腫れやしこり: 歯茎、舌、頬の内側に不自然な膨らみがないか
- 出血: 歯磨き中に出血しないか
- 口臭: いつもと違う臭いがしないか
- 左右差: 片側だけ腫れていたり、色が違ったりしないか
口を触られるのが苦手な犬への対策
口の中を見せてくれない犬には、以下のステップで慣らしていきましょう。
- 口周りを触ってご褒美をあげる
- 唇を軽くめくってご褒美をあげる
- 歯や歯茎を触ってご褒美をあげる
焦らず、数日〜数週間かけて段階的に慣らすことがポイントです。
犬の歯茎が黒い場合のよくある質問

犬の歯茎が黒い場合のよくある質問について解説します。
Q. 子犬の歯茎に黒い斑点が出てきましたが、病院に行くべきですか?
成長に伴い色素沈着が現れるのは正常です。平らで境界がはっきりしていれば基本的に心配ありません。
ただし、心配な場合は次回のワクチン接種や健康診断の際に獣医師に確認してもらうと安心です。
Q. メラノーマは何歳くらいから注意すべきですか?
口腔内メラノーマは中高齢の犬(8歳以上)に多いとされていますが、若い犬でも発生する可能性はゼロではありません。
年齢に関係なく、口腔内の異常を見つけたら早めに受診しましょう。
Q. 歯茎が黒いのと、歯が黒いのは違いますか?
はい、原因が異なります。歯が黒い場合は、歯石の蓄積、虫歯(エナメル質形成不全)、歯の外傷による変色などが考えられます。歯茎の色と歯の色、どちらの変化なのかを確認して獣医師に伝えましょう。
Q. 歯周病の予防にはどうすればいいですか?
最も効果的な予防法は毎日の歯磨きです。歯ブラシが難しい場合は、デンタルガム・デンタルシート・口腔ケア用のジェルなどを活用しましょう。
また、年に1回は動物病院で歯科検診を受けることをおすすめします。
まとめ:歯茎の黒さは「いつからあるか」「変化しているか」がポイント
犬の歯茎が黒い原因について解説しました。ポイントを振り返りましょう。
- 生まれつき・犬種特有の色素沈着なら心配不要
- 平らで境界がはっきり、大きさが変わらなければ正常の可能性が高い
- 急に現れた・盛り上がっている・出血がある場合はすぐ受診
- 口腔内メラノーマは進行が早いため、早期発見が命を救う
- 毎日の歯磨きで口腔内を観察する習慣をつける
愛犬の歯茎の色は、健康のバロメーターでもあります。少しでも「いつもと違う」と感じたら、迷わずかかりつけの獣医師に相談してくださいね。
著者
DogLife編集部