21 April.
犬の分離不安症とは?症状チェックリスト・原因・治し方を徹底解説
犬の分離不安症の症状チェックリスト、原因、治し方を解説。留守番トレーニングの方法、薬物療法、予防法まで詳しく紹介します。

「留守番させると物を壊す」「外出しようとすると鳴き叫ぶ」「帰宅するとトイレが失敗している」——もしこんな症状があるなら、愛犬は分離不安症かもしれません。
分離不安症は、飼い主と離れることに対して過剰な恐怖や不安を抱く心の病気です。単なる「寂しがり」とは異なり、治療とトレーニングが必要です。
この記事では、分離不安症の症状チェックリスト、原因、治し方、予防法を詳しく解説します。
分離不安症とは?「寂しがり」との違い

分離不安症は、飼い主やその家族から離れることに対して過度な恐怖・不安を感じ、問題行動を起こす疾患です。
「寂しがり」との違い
項目 | 寂しがり | 分離不安症 |
|---|---|---|
留守番時の行動 | 少し鳴くがすぐ落ち着く | 長時間吠え続ける・破壊行動 |
飼い主の外出時 | 少し寂しそう | パニック状態になる |
破壊行動 | なし〜軽度 | ドアや壁をガリガリ削る |
トイレの失敗 | なし | 普段は完璧なのに失敗する |
帰宅時の反応 | 喜ぶ | 異常なまでの興奮 |
改善の見通し | 慣れで改善 | 治療が必要な場合も |
分離不安症の症状チェックリスト

以下のチェックリストで、愛犬に分離不安症の兆候がないか確認してみましょう。
留守番中の症状
- 長時間吠え続ける・鳴き続ける
- ドアや窓、ケージをガリガリと傷つける
- 家具やクッションなどを破壊する
- 普段はトイレが完璧なのに室内で粗相をする
- たくさんよだれが出る
- 食欲がなくなる(留守番用のおやつを食べない)
- 下痢や嘔吐をする
飼い主の外出前後の症状
- 飼い主が出かける準備をするとパニックになる
- 玄関をふさぐ、足にしがみつくなど外出を阻止しようとする
- 帰宅時に異常に興奮する(5分以上落ち着かない)
- 飼い主の姿が少しでも見えなくなると鳴く
日常的な症状
- 家の中でも常に飼い主のそばを離れない
- 飼い主がトイレに行くだけで不安そうにする
- 他の家族では落ち着かず、特定の1人にだけ依存している
5つ以上当てはまる場合は、分離不安症の可能性が高いです。獣医師に相談しましょう。
分離不安症の原因

分離不安症は、複数の理由が重なって発症することが多いです。
環境の急な変化
きっかけ | 詳細 |
|---|---|
飼い主の生活リズムの変化 | 在宅勤務→出社勤務となり留守番時間が増えた |
引っ越し | 安心できるテリトリーがなくなった |
家族構成の変化 | 離婚、子供が一人暮らしを始めた、新しいペットを迎えた |
トラウマ体験 | 雷・花火・地震など、留守番中に何かがあった |
犬自身の性格
- 社会化不足: 子犬の時期に一人で過ごす経験が少なかった
- 依存している: 飼い主が常にそばにいて、離れる練習ができていない
- 1度保護犬となっている: 捨てられた経験や施設での生活がトラウマになっている
- 犬種の傾向による性格: 人への依存性が高い犬種(トイプードル、キャバリア、チワワなど)
飼い主の行動
- 出かけるときに「ごめんね、行ってくるね」と大げさな行動をとる
- 帰宅時に「お留守番えらかったね!」と過剰に興奮を煽る
- 犬が鳴くと戻ってきてしまう → 「鳴けば帰ってきてくれる」と学習
分離不安症の治し方

分離不安症の改善は、行動療法(トレーニング)が中心になります。
ステップ1: 外出・帰宅をさりげなくする
- 外出時: 大げさなに出ていかず静かにさりげなく出る
- 帰宅時: 犬が興奮していても落ち着くまで無視する
ステップ2: 「離れる練習」から始める
- 別の部屋に行き、ドアを閉めずに数秒で戻る
- 犬が落ち着いていたら褒める
- 徐々にドアを閉める → 時間を30秒→1分→3分と延ばす
- 犬が不安のサインを出さない範囲で進める
犬がパニックになるまで放置しないでください。
不安が爆発すると、トレーニングが逆効果になります。
ステップ3: 「外出=良いこと」の関連づけ
- 外出時にコングにおやつを詰めたものを与える
- 留守番用の特別なおもちゃ(普段は使わないもの)を与える
- 帰宅したらおもちゃを片付ける → 留守番中だけの特別感を作る
ステップ4: 段階的に留守番時間を延ばす
週 | 目標時間 | ポイント |
|---|---|---|
1週目 | 5〜10分 | 玄関を出てすぐ近くで待機 |
2週目 | 15〜30分 | 短い買い物程度 |
3週目 | 30分〜1時間 | ペットカメラで様子を確認 |
4週目以降 | 徐々に伸ばしていく | 2〜3時間の外出に挑戦 |
ステップ5: 犬の自立心を育てる
- 犬が一人で過ごせる時間を日常的に作る(別の部屋で過ごす練習)
- 飼い主の行動を逐一追わなくても大丈夫という経験を積ませる
- クレートトレーニングで「自分の安心できる場所」を作る
重度の場合は薬物療法も

行動療法だけでは改善が難しい重度の分離不安症には、獣医師の判断で薬物療法が併用されることがあります。
使用される主な薬
- 抗不安薬: 不安を軽減し、トレーニングがしやすい状態を作る
- 抗うつ薬(SSRI等): セロトニンのバランスを整え、不安を和らげる
- サプリメント: L-テアニンやGABAなど、マイルドなリラックス効果があるもの
薬はあくまで補助的な役割です。薬だけで治すのではなく、薬で不安を軽減しながら行動療法を並行して進めることが大切です。
やってはいけないNG対応

NG対応 | 理由 |
|---|---|
叱る・罰を与える | 不安がさらに悪化する |
無理やりクレートに閉じ込める | クレート嫌いになり、パニックがひどくなる |
もう1頭犬を迎えて解決しようとする | 飼い主への依存が原因のため、犬が増えても解決しない |
犬が鳴くたびに戻る | 「鳴けば飼い主が来る」と学習してしまう |
犬の分離不安症に関するよくある質問

分離不安症に関して、飼い主さんからよくいただく質問をまとめました。予防や改善のヒントになる情報もありますので、ぜひ目を通してみてくださいね。
Q. ペットカメラは役立ちますか?
非常に役立ちます。 カメラで留守番中の様子を確認することで、症状の程度を把握でき、獣医師への相談もより正確なものとなります。
音声機能付きのカメラで声をかけられるタイプもありますが、分離不安の犬には逆効果になることもあるため、できれば声をかけない方が良いでしょう。
Q. 分離不安症は完治しますか?
多くの場合、適切な治療で改善します。 ただし、完全にゼロにするのではなく、「飼い主がいなくても落ち着いて過ごせるレベル」を目指すのが現実的です。改善には数ヶ月〜半年程度かかることが多いです。
Q. ペットシッターやデイケアは効果がありますか?
一時的な対処としては有効です。ただし、根本的な治療にはなりません。留守番トレーニングと並行して活用するのが理想です。
Q. 子犬のうちから予防できますか?
はい、予防が最も効果的です。 子犬の時期から短時間の一人遊びや留守番を経験させ、「飼い主がいなくても大丈夫」という経験を積ませることが重要です。
まとめ:分離不安症は治せる
犬の分離不安症について解説しました。ポイントを振り返りましょう。
- 分離不安症は飼い主と離れることに過度な恐怖を感じる心の病気
- 吠え続ける・破壊行動・トイレの失敗が代表的な症状
- 環境の変化・依存・社会化不足が主な原因
- 少し離れる練習から始め、留守番時間を延ばしていく
- ひどい場合は獣医師に相談し、薬物療法とトレーニングを併用する
- 叱る・罰を与える・無理やり閉じ込めるのはNG
分離不安症は飼い主と愛犬の双方にとって辛い問題ですが、正しい知識と根気強いトレーニングで改善できますよ。
著者
DogLife編集部