14 June.
犬が車のクレートを嫌がるときはどうする?慣らし方と対策も解説
車のクレートを嫌がる犬への段階的な慣らし方を詳しく解説。嫌がる原因の見極めからトレーニング方法、クレート選びのポイントまで、愛犬が安心して車に乗れるようになるコツをお伝えします。

犬を車に乗せるとき、クレートを嫌がって大暴れ――そんな経験はありませんか?安全面を考えるとクレートに入ってほしいのに、鳴いたり震えたり、頑なに入ろうとしない愛犬を見ると、飼い主さんも困ってしまいますよね。
車のクレートは犬の安全を守るために大切なアイテムです。急ブレーキや事故の際、クレートに入っていることで犬がケガをするリスクを大幅に減らせます。でも、無理やり押し込むのは逆効果で、ますます車やクレートが嫌いになってしまうことも。
この記事では、犬がクレートを嫌がる原因を見極めた上で、段階的に慣らしていく方法をご紹介します。
犬がクレートを嫌がる原因を知ろう

クレート嫌いを直すには、まず「なぜ嫌がるのか」を理解することが出発点です。原因によって対処法が変わるため、愛犬の様子をよく観察して原因を見極めましょう。ここでは主な原因をパターン別に解説します。
閉じ込められることへの恐怖
犬にとって狭い空間に閉じ込められるのは、本能的に恐怖を感じる体験です。特に以下の経験がある犬は、クレート=怖い場所と学習している可能性があります。
- 罰としてクレートに入れられた経験がある
- クレートの中で長時間留守番させられた
- クレートに入ったまま嫌な場所(動物病院など)に連れていかれた
クレートが「罰の場所」や「嫌なことの始まり」と結びついている場合、まずはその関連付けをリセットする必要があります。
クレートのサイズや環境が合っていない
意外と多いのが、クレートそのものが犬に合っていないケースです。
- サイズが小さすぎる: 犬が中で立ち上がったり、方向転換できないサイズはストレスになります
- 通気性が悪い: 車内は温度が上がりやすく、通気性の悪いクレートは犬の体調に影響します
- 不安定で揺れる: 車内でクレートが滑ったり動いたりすると、犬は不安を感じます
車そのものへの苦手意識
クレートではなく、車自体が嫌いな場合もあります。車酔いの経験や、エンジン音・振動への恐怖が原因で、車に乗ること自体を拒否しているケースです。この場合、クレートだけでなく車への慣らしも並行して行う必要があります。
車酔いが原因の場合は、犬の車酔い対策の記事も参考にしてみてくださいね。
正しいクレート選びが慣らし成功の第一歩

クレートトレーニングを始める前に、まず適切なクレートを用意することが重要です。合わないクレートでいくら練習しても、犬が快適に感じることは難しいですよ。ここではサイズ選びのコツと車内での設置方法を解説します。
犬に合ったサイズの選び方
クレートのサイズ選びは以下を基準にしてください。
チェックポイント | 基準 |
|---|---|
高さ | 犬が中で立ち上がって頭がぶつからない |
奥行き | 犬が伏せた状態で前足から後ろ足まで余裕がある |
幅 | 犬が中で方向転換できる |
体重別の目安サイズは以下の通りです。
- 超小型犬(〜4kg): Sサイズ(幅30×奥行45×高さ30cm程度)
- 小型犬(4〜10kg): Mサイズ(幅35×奥行55×高さ35cm程度)
- 中型犬(10〜25kg): Lサイズ(幅40×奥行60×高さ40cm程度)
大きすぎるクレートは車の振動で犬が中で転がりやすくなるため、体にフィットしたサイズを選ぶことが大切です。
車内でのクレート設置のコツ
クレートの置き方によっても犬の快適度が変わります。
- 後部座席の足元や荷室に固定する: シートベルトや固定用ストラップでしっかり固定しましょう
- 進行方向に扉が向くように設置する: 犬が外の様子を確認でき、安心感が増します
- 滑り止めマットを敷く: クレートの下に滑り止めを敷くと揺れが軽減されます
- 中にブランケットやタオルを敷く: 犬の匂いがついた布を入れると安心感が増します
ハードクレートとソフトクレートの使い分け
車用のクレートには主に2種類あります。
ハードクレート(プラスチック製)
- 頑丈で安全性が高い
- 掃除しやすい
- 通気性はやや劣る
ソフトクレート(布製)
- 軽くて持ち運びやすい
- 折りたためて収納しやすい
- 安全性はハードに劣る
安全性を重視するなら、車内ではハードクレートがおすすめです。獣医師も「車の移動時はハードクレートの方が犬を衝撃から守りやすい」と推奨しています。
クレートトレーニングの実践方法

いよいよ本題のトレーニング方法です。ここでは5つのステップに分けた実践的な方法をご紹介します。
クレートの存在に慣れさせる(1〜3日目)
まずはクレートそのものへの恐怖心をなくすことから始めます。
- リビングなど犬がリラックスできる場所にクレートを置く(扉は開けたまま)
- クレートの近くにおやつを置き、犬が自分から近づくのを待つ
- クレートに近づいたら褒めておやつをあげる
- 犬が自分からクレートの中を覗いたり、匂いを嗅いだらたくさん褒める
この段階では、クレートに入れようとしないでください。「クレートの近くにいると良いことがある」という関連付けが目的です。
クレートの中に入る練習(4〜7日目)
クレートへの警戒心が薄れてきたら、中に入る練習に進みます。
- クレートの奥におやつを置き、犬が自分から入るのを待つ
- 入ったらすぐに褒める。出てきてもOK
- 食事をクレートの中で食べさせる(最初は入口付近から、徐々に奥へ)
- クレートの中でおもちゃや知育トイを使って遊ばせる
犬が自発的にクレートに入ること待ちましょう。忍耐力が大切です。
扉を閉める練習(2週目〜)
クレートに自分から入れるようになったら、少しだけ扉を閉める練習です。
- 犬がクレートの中でおやつを食べている間に、そっと扉を閉める
- 最初は5〜10秒で扉を開ける
- 徐々に閉めている時間を延ばす(30秒→1分→3分→5分)
- 扉が閉まっている間もおやつを与え続ける
- 犬が鳴いても、鳴き止んだタイミングで扉を開ける(鳴いているときに開けると「鳴けば出してもらえる」と学習してしまいます)
車内のクレートに慣れさせる(3週目〜)
室内での練習が安定したら、いよいよ車内での練習です。
- エンジンを切った状態で車内のクレートに入る練習
- エンジンをかけた状態でクレートに入る練習
- 近所を5分程度ドライブ
- 徐々に距離と時間を延ばす
各ステップで犬が落ち着いていることを確認してから次に進んでください。
長距離ドライブへのステップアップ
短距離が問題なくなったら、少しずつ距離を延ばしていきます。
- 15分→30分→1時間→2時間と段階的に延ばす
- 途中で休憩を入れ、クレートから出してリフレッシュさせる
- 到着先で楽しい体験(散歩、ドッグランなど)をさせる
犬の旅行の移動時間については、犬の移動時間の目安も参考にしてくださいね。
クレートを嫌がる犬へのNG対応と注意点

良かれと思ってやっていることが、実は逆効果になっていることも少なくありません。トレーニングがうまくいかない場合、以下のNG行動をしていないかチェックしてみてくださいね。
やってはいけないNG行動
- 無理やり押し込む: 恐怖心を強化するだけです。クレートが「怖い場所」として記憶に定着してしまいます
- クレートに入れて長時間放置する: 子犬は月齢+1時間が目安(例:3ヶ月齢なら4時間が限度)
- 罰としてクレートに入れる: クレート=罰の関連付けは最も避けたいパターンです
- 焦ってステップを飛ばす: 旅行の日程が迫っているからと急ぐと失敗しやすくなります
- 鳴いているときにクレートから出す: 鳴く→出してもらえるという学習を強化してしまいます
それでも改善しない場合は
数週間トレーニングしても改善が見られない場合は、以下を検討してみてください。
- ドッグトレーナーに相談する: プロの目で問題点を指摘してもらえます
- 獣医師に相談する: 強い不安を示す場合、分離不安や強迫行動の可能性もあります。獣医師によると、重度の不安行動には行動療法と併せて薬物療法が有効なケースもあるとのことです
- クレート以外の安全対策を検討する: 犬用シートベルトやドライブボックスなど、クレート以外の選択肢も視野に入れましょう
犬連れ旅行全般の不安については、犬連れ旅行が初めての方への徹底解説も参考になりますよ。
よくある質問(FAQ)

クレートトレーニングはどのくらいの期間がかかりますか?
個体差が大きいですが、一般的には3〜6週間程度が目安です。過去にクレートで嫌な経験をしている犬はもう少し時間がかかることがあります。焦らず犬のペースに合わせることが大切で、無理をすると逆に期間が長引くことが多いです。
成犬でもクレートトレーニングは可能ですか?
可能です。子犬のほうが順応しやすい面はありますが、成犬でも適切な方法で行えば十分に慣れることができます。成犬の場合は、過去の経験が影響していることが多いので、より丁寧にステップを進めるとよいでしょう。
車ではクレートとドライブボックスのどちらが良いですか?
安全性の面ではハードクレートが優れています。衝突時の衝撃から犬を守る性能はクレートのほうが高いです。ただし、ドライブボックスは犬が外を見やすく車酔いしにくいというメリットもあります。犬の性格や体格に合わせて選ぶのがよいでしょう。
まとめ
犬が車のクレートを嫌がるのは、適切な慣らし方で改善できることがほとんどです。この記事のポイントを振り返りましょう。
- まず嫌がる原因を見極める(恐怖心、サイズ不適合、車酔いなど)
- 犬の体格に合ったクレートを選び、車内にしっかり固定する
- 5つのステップで焦らず段階的に慣らしていく
- 無理やり押し込む、罰として使うなどのNG行動は避ける
- 改善しない場合はプロ(トレーナー・獣医師)に相談する
クレートは犬を守る「安全な居場所」です。時間はかかりますが、愛犬がクレートを安心できる場所と認識できれば、車での移動がぐっと楽になります。愛犬との楽しいドライブのために、ぜひ今日からトレーニングを始めてみてくださいね。
著者
DogLife編集部



