23 February.
犬の耳が臭いときの対処法!耳掃除のコツと頻度も解説
この記事では、犬の耳が臭くなる原因から、お家ですぐにできる対処法、そして意外と知らない「正しい耳掃除のコツと頻度」までを徹底解説します。

「なんだか最近、愛犬の耳がにおう気がする……」 「耳をクンクンしてみたら、納豆みたいな独特なニオイがする!」
愛犬とスキンシップをとっているときに、ふと気になるのが「耳のニオイ」ですよね。実は、犬の耳のトラブルは動物病院を受診する理由の中でも常に上位に入るほど、多くの飼い主さんが直面する悩みなんです。
トイプードルやチワワといった人気犬種は特に耳の構造上トラブルが起きやすく、放置すると「外耳炎」などの病気が悪化して、ワンちゃんが痛い思いをしてしまうことも。
この記事では、犬の耳が臭くなる原因から、お家ですぐにできる対処法、そして意外と知らない「正しい耳掃除のコツと頻度」までを徹底解説します。
犬の耳が臭いのはなぜ?考えられる主な原因

愛犬の耳から漂ってくる独特なニオイ。実はその「におい方」によって、ある程度の原因を推測することができます。まずは、なぜ臭くなってしまうのか、その正体を探ってみましょう。
菌の増殖(マラセチアや細菌)
犬の耳が臭う原因として最も頻繁に見られるのが、菌の過剰な増殖です。特に「納豆のようなニオイ」や「脂っこいニオイ」がする場合は、マラセチアという酵母菌(カビの一種)が疑われます。
この菌は健康な皮膚にも常に存在している常在菌ですが、耳の中の湿度が上がったり、皮脂が過剰に分泌されたりすると、それをエサにして爆発的に増えてしまいます。
また、ブドウ球菌などの細菌が感染して増殖すると、さらにツンとした強いニオイを発することもあります。
これらは単に不潔だから発生するわけではなく、免疫力の低下やアレルギー、季節の変わり目の湿気などが引き金になることも多いのが特徴です。
外耳炎などの炎症
外耳炎とは、耳の入り口から鼓膜までの「外耳道」という通り道が炎症を起こしている状態を指します。
耳の中が赤く腫れたり、茶色や黒っぽい耳垢が大量に出ていたりする場合は、かなり炎症が進んでいるサインです。
炎症が起きると耳の中の温度が上がり、さらに菌が繁殖しやすい環境になるという悪循環に陥ります。ニオイだけでなく、ワンちゃんがしきりに耳を後ろ足で掻いたり、頭を激しく振ったりする動作が見られるなら注意が必要です。
重症化すると耳の皮膚が厚くなって通り道が塞がってしまい、治療に時間がかかるだけでなく、ワンちゃんにとっても強い痛みや不快感を伴う辛い状態になってしまいます。
耳ダニの寄生
もし「黒い砂やコーヒーのカスのような耳垢」が出ていて、かつ異常に強いニオイがするなら、耳ダニ(ミミヒゼンダニ)の寄生を疑いましょう。
このダニは耳の中に住み着き、耳垢や体液をエサにして増殖します。非常に強いかゆみを引き起こすのが特徴で、ワンちゃんが耳を壁にこすりつけたり、出血するほど掻きむしったりすることもあります。
耳ダニによる汚れは特有の黒褐色で、独特の酸っぱいような不快なニオイを放ちます。多頭飼いをしている場合は他の子にもうつりやすいため、一刻も早い受診が必要です。お家での耳掃除だけで解決するのは難しく、病院での駆虫薬による治療が必須となります。
犬種によって耳が臭くなりやすい理由

実は、耳のニオイ悩みは犬種によっても傾向が分かれます。それぞれの体の特徴を知ることで、より適切なケアが見えてきます。
トイプードル・シュナウザー
トイプードルやミニチュアシュナウザーといった犬種は、耳の中にまで被毛が生えているという特徴があります。この「耳の中の毛」がくせ者で、耳垢が毛に絡まりやすいうえに、耳道の通気性を著しく悪くしてしまいます。
本来なら自然に外へ排出されるべき汚れが耳の奥に留まってしまうため、湿気がこもり、菌が繁殖する絶好のポイントになってしまうのです。また、これらの犬種は皮脂の分泌が盛んな子も多く、脂っぽい耳垢が原因で独特のニオイが発生しやすい傾向にあります。
定期的なトリミングで耳の中の毛を整理し、風通しを良くしてあげることが、ニオイを防ぐための予防策となります。
チワワ・ダックスフンド
チワワやダックスフンドは、耳の通り道である「耳道」が他の犬種に比べて狭い子が多いのが特徴です。
特にチワワは立ち耳の子が多いですが、意外にも耳の付け根が狭いために汚れが奥に溜まりやすいという落とし穴があります。一方、ダックスフンドは立派な垂れ耳を持っており、耳の穴が常に重い耳介で塞がれている状態です。
これにより、耳の中は常にサウナのように蒸れた状態になりやすく、一度菌が増えるとあっという間にニオイが強くなってしまいます。体のサイズが小さいため、耳掃除の際に無理に指を入れると粘膜を傷つけやすいため、より慎重で優しいケアが求められる犬種たちと言えるでしょう。
レトリバー・コッカースパニエル
ゴールデンレトリバーやアメリカンコッカースパニエルなどの大型・中型の垂れ耳犬種は、最も耳のトラブルが起きやすい犬種です
耳そのものが大きく肉厚なため、通気性はほぼゼロに近く、耳の中は常に高温多湿です。さらに、これらの犬種はアレルギー体質の子が多く、外耳炎を繰り返しやすいという側面もあります。
汚れの量も小型犬とは比較にならないほど多くなることがあり、一度ニオイが出始めると部屋中に漂うほど強くなることも珍しくありません。日常的に耳をめくって中をチェックし、乾燥させる時間を意識的に作ってあげるなど、他の犬種以上に手厚いメンテナンスが必要不可欠です。
どんなニオイが危険?チェックすべきポイント

一口に「臭い」と言っても、状況はさまざま。以下のチェック項目に当てはまる場合は、お家ケアだけで済ませず早めに獣医さんに相談してくださいね。
- 納豆やチーズのような酸っぱいニオイ:マラセチア増殖の可能性大。
- 腐敗臭(生臭いニオイ):細菌感染がひどく、膿が出ている可能性があります。
- 耳の中が真っ赤に腫れている:強い痛みを感じているサインです。
- 足でしつこく耳を掻く、床に耳をこすりつける:かゆみや違和感が限界に達しています。
犬の耳掃除は「しないほうがいい」って本当?

ネットや本で「耳掃除はしないほうがいい」という意見を見て、迷っている方も多いのではないでしょうか。結論から言うと、「健康な耳ならやりすぎ厳禁、でも汚れているなら適切なケアが必要」です。
犬の耳の皮膚は人間よりもずっと薄く、ティッシュや綿棒でゴシゴシ擦ると簡単に傷ついてしまいます。その傷から菌が入って、良かれと思ってやった耳掃除が原因で外耳炎になる……なんて本末転倒なケースも。
お家でできる!犬の耳が臭いときの対処法
「少しニオイが気になるかな?」という状況でしたら、まずはお家でケアをして様子を見てみましょう。
- 専用の洗浄液(イヤークリーナー)を使う
- 濡らしたコットンで優しく拭く
- 耳の周りの毛を整える
失敗しない耳掃除のコツと正しい手順

では、具体的にどうやって掃除すればいいのか、ワンちゃんが嫌がらない手順を解説します。
準備するもの
- 犬用イヤークリーナー
- 清潔なコットン(たっぷり)
- ご褒美のおやつ
手順
- 洗浄液を「ちょこん」と数滴垂らす
- 耳の根元を「クチュクチュ」と優しく揉む
- ワンちゃんに「プルプル」と頭を振らせる
- 入り口の汚れをコットンで優しく拭き取る
準備ができたら、イヤークリーナーを耳の穴に数滴そっと垂らします。ボトルの先が耳の中に当たらないように浮かせ、冬場はボトルを少し温めてあげると驚かせずに済みます。液を入れた後は、耳の付け根を外側から指で挟むようにして「クチュクチュ」と揉んでください。これで奥の耳垢が浮き上がります。
手を離すと、ワンちゃんが自分で頭を左右に「プルプルッ!」と振ります。この遠心力で汚れが入り口まで移動してくるので、最後にそこをコットンでそっと押さえるように拭き取れば完了です。耳の奥をゴシゴシ擦る必要はありません。見える範囲がキレイになれば十分です。
耳掃除の頻度はどのくらいがベスト?
「毎日きれいにしなきゃ!」と意気込む必要はありません。実は、耳掃除のやりすぎはかえってトラブルの元になることもあるんです。
目安としては、耳の状態が健康な子であれば、月に1〜2回、あるいはシャンプーのついでにチェックする程度で十分です。体質的に少し耳が汚れやすい子の場合は、週に1回くらいのペースで様子を見てあげてください。
おすすめの耳用洗浄液(イヤークリーナー)の選び方

市販されている洗浄液はたくさんありますが、選ぶ際のポイントを詳しく見ていきましょう。
アルコールフリーかどうか
イヤークリーナーを選ぶ際に最も重視したいのが、アルコール(エタノール)が含まれていないかどうかです。アルコールは揮発性が高く、耳の中を乾燥させる力が強いのですが、犬のデリケートな耳の粘膜には刺激が強すぎることがあります。
特にすでに赤みがあったり、ニオイが気になったりする状態の耳には、アルコールがしみて激しい痛みを感じさせてしまう可能性が高いのです。一度「耳掃除は痛いものだ」と学習してしまうと、その後二度と耳を触らせてくれなくなることも。
初めて使う場合や、少しでも炎症が疑われる場合は、必ず「ノンアルコール」や「アルコールフリー」と明記された、低刺激なものを選んであげてください。
香料が強すぎないか
私たち人間にとっては、良い香りのクリーナーの方が「掃除した満足感」を得やすいかもしれません。しかし、犬の嗅覚は人間の数千倍から数万倍とも言われています。
耳の穴という鼻に近い場所で、強いフローラルやシトラスの香りが漂うことは、ワンちゃんにとってかなりのストレスになります。また、強い香料はニオイの根本的な原因を隠してしまい、病気のサインである「異臭」に気づくのが遅れる原因にもなりかねません。
できるだけ無香料、あるいは天然由来のほのかな香りのものを選びましょう。清潔になったかどうかは、香りの強さではなく、実際に耳垢が落ちているか、赤みが引いているかで判断するのがおすすめです。
保湿成分が入っているか
「汚れを落とすこと」だけに特化したクリーナーだと、必要な皮脂まで奪い去ってしまい、耳の中がカサカサに乾燥してしまうことがあります。
乾燥はかゆみを引き起こし、ワンちゃんが耳を掻く原因になります。そのため、最近の質の高いイヤークリーナーには、ヒアルロン酸やアロエベラエキスといった保湿成分が配合されているものが増えています。
汚れを浮かせて落としながら、同時にデリケートな皮膚のバリア機能をサポートしてくれるタイプが理想的です。洗浄と保護を同時に行うことで、耳の中の環境が安定し、結果として菌が繁殖しにくい「健康な耳」を保てます。
成分表をチェックして、肌に優しい成分が含まれているか確認してみましょう。
まとめ
「納豆みたいなニオイがするな」「ちょっと耳垢が多いかも」と気づいてあげられるのは、一番近くにいる飼い主さんだけ。
基本のケアは「優しく、適度な頻度で」が鉄則です。もし掃除をしてもすぐにニオイが戻ったり、ワンちゃんが痛がったりする場合は、無理せずプロの手に頼ってくださいね。
著者
DogLife編集部



