14 March.
犬が尻尾を下げるときの気持ちとは?愛犬の気持ちをしっぽから読みとこう
この記事では、犬が尻尾を下げる時の心理をパターン別に解説。元気はあるのに下がっている場合や、年齢による変化、さらには注意すべき病気のサインについてもわかりやすく解説します。

愛犬がふと尻尾を下げているのを見て、大丈夫かな?と不安になったことはありませんか。犬の尻尾といえば、嬉しそうにブンブン振っているイメージが強いだけに、下がっているとどうしてもネガティブな想像をしてしまいがちですよね。
実は、犬が尻尾を下げる理由はひとつではありません。単純にリラックスして無防備になっていることもあれば、心の底から怖がっていたり、あるいは体に異変を感じていたりすることもあります。
この記事では、犬が尻尾を下げる時の心理をパターン別に徹底解説します。元気はあるのに下がっている場合や、年齢による変化、さらには注意すべき病気のサインについても解説するので、最後まで読み進めてくださいね。
犬が尻尾を下げているのはリラックス?それとも不安?
犬が尻尾を下げる動作には、対極にある2つの心理が隠されています。その違いを見極めるポイントは、尻尾の力の入り具合と、体全体の雰囲気です。
完全に脱力しているリラックス状態
愛犬が家の中でまどろんでいるとき、尻尾が自然な位置に垂れ下がっているなら、それは心からのリラックスを意味しています。
これは人間がソファで手足を投げ出してくつろいでいるのと同じ状態です。柴犬のような巻き尾の犬種でも、深く安心すると巻きが解けて下がることは珍しくありません。このとき、表情を観察してみてください。目がトロンとしていたり、口元が少し緩んでいたりするはずです。
体全体から余計な力が抜けており、周囲を警戒する必要がないと確信している証拠です。この穏やかな時間は、犬にとって最高の休息タイムなんですよ。
不安や緊張を感じているとき
尻尾が足の間に深く巻き込まれるように下がっている場合は、強い不安や緊張のサインです。これは自分の急所であるお尻やお腹を隠し、身を守ろうとする本能的な防衛本能の表れといえます。
また、自分を小さく見せることで、相手に対して私はあなたに逆らいません、攻撃しないでくださいという降参の意思を伝えていることもあります。
散歩中に大きな音に驚いたり、苦手な場所に行ったりしたときによく見られる光景です。この状態の犬は非常にデリケートになっています。
無理に引っ張ったり励ましたりするのではなく、まずは飼い主さんが落ち着いて、その場から離れるなど愛犬が安心できる環境を整えてあげることが最優先となります。
犬が尻尾を下げながら甘える理由
尻尾が下がっているのに、飼い主さんに擦り寄ってきたり、顔を舐めようとしたりすることはありませんか。これは、犬なりの甘えのサインかもしれません。
降参と親愛の証
犬が尻尾を下げながら近寄ってくるのは、飼い主さんを群れのリーダーとして深く尊敬している証です。自分を低く見せることで私はあなたの味方ですと伝えつつ、最大限の親愛の情を示しています。
このとき、尻尾の先だけをパタパタと小刻みに振っていたり、体をくねらせたり、耳を後ろに倒してヒコーキ耳になっていたりするなら、それは全力の甘えモード。
お腹を見せてゴロンと転がる前段階のことも多いですね。高い位置でブンブン振る元気な喜びとは違い、穏やかで深い信頼に基づいた甘え方といえます。こんなときは、愛犬の気持ちに応えて優しく声をかけながら、胸元や耳の後ろなどを撫でて、たっぷりと愛情を返してあげてください。
元気はあるのに尻尾が下がったままなのはなぜ?
散歩も楽しそうだし、食欲も旺盛。それなのに尻尾だけがずっと下がっているとどこか悪いのかな?と心配になりますよね。その理由を探ってみましょう。
性格や個体差によるもの
人間と同じように、犬にも性格の個体差があります。感情を全身で爆発させるタイプもいれば、常に冷静で落ち着いているタイプもいます。
もともと感情が尻尾の動きに出にくい子や、デフォルトの位置が低めという子は意外と多いものです。
また、グレーハウンドやボルゾイのように、骨格的に尻尾が下がっているのが標準スタイルの犬種も存在します。
愛犬が子犬の頃からずっとそのスタイルで、普段の生活に支障がなく、表情が明るいのであれば、それがその子の普通なので過度に心配する必要はありません。
柴犬などの巻き尾の犬が尻尾を下げるケース
柴犬に代表される巻き尾を持つ犬種が尻尾を下ろしていると、普段とのギャップで驚いてしまいますよね。実は柴犬も、何かに集中しているときには、バランスを取るためにふと尻尾の巻きを解くことがあります。
例えば、散歩中に道端の匂いを熱心にクンクン嗅いでいるときや、遠くの音をじっと聞き取ろうとしているときなどです。これは病気ではなく、いわば真剣モードに入っている状態。
また、歩行中に考えごとをしているような時も、無意識に尻尾が下がることがあります。しばらくして歩き出したり、飼い主さんが声をかけたりしたときに、またクルンと元通りに巻くようであれば全く問題ありません。
シニア犬(老犬)と尻尾の位置の関係
愛犬が年齢を重ねるにつれて、以前よりも尻尾が上がらなくなったと感じることはありませんか。これには加齢に伴う身体的な変化が関係しています。
筋力の低下と骨の変化
愛犬がシニア期に入ると、全身の筋力が少しずつ衰えてきます。尻尾を高く持ち上げたり、力強く振り続けたりするには、実は背中や腰、そして尻尾自体の筋肉をかなり使います。
そのため、筋力が低下してくると、重力に従って自然と尻尾が下がりがちになるのです。また、加齢によって背骨や腰の関節に柔軟性がなくなると、尻尾を高く上げる動作自体が負担に感じられることもあります。
散歩のペースが落ちたり、立ち上がるのに時間がかかるようになったりと、他の加齢サインと一緒に現れることが多いのが特徴です。無理に上げさせようとせず、愛犬が楽な姿勢で過ごせるよう、寝床のクッション性を高めるなどのサポートを考えてあげたい時期ですね。
要注意!尻尾が下がって震える・元気がない場合
もし尻尾が下がっているだけでなく、明らかにいつもと様子が違うと感じるなら、それは体調不良や痛みのサインかもしれません。
痛みや体調不良を隠している
犬は本能的に自分の弱みや痛みを周囲に悟られないように振る舞う動物です。しかし、そんな我慢強い犬でも、隠しきれないほどの痛みやダルさがあるときには、尻尾が力なく垂れ下がってしまいます。
特に、背中を丸めてじっとしていたり、普段は喜ぶはずの撫でる行為を嫌がったり、食欲がガクンと落ちていたりする場合は要注意。お腹が痛い、あるいは関節に痛みがあるなど、体のどこかにトラブルを抱えている可能性が高いです。
言葉で訴えることができない分、尻尾の力強さは健康のバロメーターになります。元気がないなと感じたら、まずは静かな環境で休ませ、歩き方や呼吸に異変がないか、飼い主さんの鋭い観察眼でチェックしてあげてください。
尻尾を下げて震えているときの心理
尻尾を下げた状態で小刻みに震えているのは、極限の恐怖か、あるいは強い痛みを感じているサインです。雷や花火などの大きな音、動物病院での診察、あるいは苦手な相手との遭遇など、心に強い負荷がかかっているとき、犬は尻尾を股の間に固く挟み込み、体を震わせます。
一方で、特に思い当たる恐怖の対象がないのに震えている場合は、内臓の痛みや急性の疾患が隠れている可能性も否定できません。人間でも、激痛に耐えるときは体が震えますよね。
もし震えが止まらなかったり、呼んでも反応が鈍かったりする場合は、迷わず動物病院を受診しましょう。放置せず、愛犬のSOSをしっかり受け止めてあげることが、大きな病気の早期発見に繋がります。
ずっと尻尾が下がっているときに考えられる病気
一時的な気分の浮き沈みではなく、どんな状況でもずっと尻尾が下がったままなら、身体的な疾患が疑われます。
脊椎や腰のトラブル(椎間板ヘルニアなど)
ダックスフンド、コーギー、フレンチブルドッグなどの犬種で特に注意したいのが、椎間板ヘルニアに代表される腰のトラブルです。
背骨の中を通る神経が圧迫されると、脳からの指令が尻尾までうまく伝わらなくなり、尻尾を自力で持ち上げたり振ったりすることができなくなります。重症化すると足の麻痺にも繋がる恐ろしい病気ですが、初期症状としてなんとなく尻尾が下がっている、散歩に行きたがらないといった変化が現れることも多いのです。
もし愛犬が尻尾の付け根を触られるのを嫌がったり、段差を登るのを躊躇したりする仕草を見せたら、早めに専門医の診察を受けましょう。早期発見と適切な治療が、愛犬の歩ける未来を守ります。
リム・テイル症候群(しっぽの捻挫)
昨日まであんなに元気だったのに、突然尻尾が根元からダランと垂れてしまった!そんな時に考えられるのがリム・テイル症候群、通称水泳尾です。
激しい水泳の後や、冷たい雨の中での散歩、あるいは過度な運動によって尻尾の付け根の筋肉を傷めてしまう、いわば尻尾の捻挫のような状態です。
見た目はショッキングですが、多くの場合は数日から一週間程度の安静と、獣医師から処方される消炎鎮痛剤で改善します。
ただし、自己判断でマッサージなどをすると逆効果になることもあるため注意が必要です。
肛門嚢炎(こうもんのうえん)
犬のお尻の穴の両脇には肛門嚢という袋があり、ここには独特の強い匂いを持つ分泌物が溜まります。通常は排泄と共に排出されますが、体質や加齢によって溜まりすぎてしまうと、炎症を起こして肛門嚢炎になってしまいます。
お尻周りに違和感や強い痛みが生じるため、犬は尻尾を下げてお尻を守るような姿勢をとったり、床にお尻を擦り付けて歩くお尻歩きをしたりします。また、しきりにお尻を気にしたり、自分の尻尾を追いかけるような動作を見せることもあります。
溜まった分泌物を絞り出すことで解消されますが、化膿すると破裂して出血することもあるため、定期的にお店や病院でチェックしてもらうのが安心ですね。
まとめ:尻尾は心の鏡、全身を見て判断しよう
犬が尻尾を下げる理由は、幸福なリラックスから病気のサインまで、実に多岐にわたります。大切なのは、尻尾というパーツだけを見るのではなく、目つき、耳の向き、体のこわばり、そしていつもと何が違うかという飼い主さんの直感です。
ゆったりと下がっているなら安心・リラックス。股に巻き込んでいるなら恐怖・強いストレス。力なくダランとしているなら痛み・体調不良の可能性。毎日愛犬を観察しているあなただからこそ、気づける変化があるはずです。もし何だかいつもと違うなと違和感を抱いたら、遠慮せずにプロの力を借りてくださいね。
著者
DogLife編集部



