19 March.
犬がフンッと鼻を鳴らす意味は?感情から病気のサインまで徹底解説
この記事では、犬が鼻を鳴らす心理や、グーグー、フガフガといった音の違いによる意味、および注意すべき病気のサインについて詳しく紐解いていきます。

愛犬と一緒にリラックスしているとき、不意にフンッと鼻を鳴らされて「え、今鼻で笑った?」と戸惑ったことはありませんか。まるで見下されたような、あるいは何かを諦めたようなその響きに、思わず顔をのぞき込んでしまった飼い主さんも多いはずです。
実は、犬のフンッという鼻鳴らしには、私たちが想像する以上にバリエーション豊かな感情が隠されています。単なるリラックスのサインであることもあれば、実は体調不良を訴えているケースも。
この記事では、犬が鼻を鳴らす心理や、グーグー、フガフガといった音の違いによる意味、および注意すべき病気のサインについて詳しく紐解いていきます。
犬がフンッと鼻を鳴らす意味

犬がフンッとするのは、人間でいうところの「ため息」に近いものから、鼻を通る空気を整える生理的なものまで様々です。まずは、多くのワンちゃんに見られる代表的な心理を見ていきましょう。
気持ちを切り替えたいとき
散歩に行けると思ったのに「あとでね」と言われたときや、遊びが一段落したときなど、犬はフンッとして自分の気持ちをリセットすることがあります。期待が外れたことへの小さな不満を鼻から抜いたり、高ぶった感情を落ち着かせようとしたりする、セルフコントロールの一種ですね。
人間が「やれやれ」と肩を落とす動作に近く、葛藤を解消しようとしている証拠でもあります。もし愛犬がフンッとした後に、トボトボと自分のベッドへ戻っていくようなら「今は我慢したよ」という彼らなりの納得のサイン。
そんなときは、後で思い切り褒めてあげたり、時間が空いたときに優先的に遊んであげたりすると、愛犬との信頼関係がより深まるはずです。
満足感やリラックスの証
ソファで丸くなって寝る直前にフンッと鳴らすのは、心底リラックスしている証拠です。今日も一日楽しかった、さあ寝るぞという満足感の表れ。このとき、体からふっと力が抜けているようなら、全く心配はいりません。
この鼻鳴らしは、人間が温かいお風呂に浸かったときに思わず漏れる「はぁ〜」という吐息によく似ています。副交感神経が優位になり、心身ともに休息モードに入った合図といえるでしょう。飼い主さんのそばでこの音が聞こえたら、それはあなたと一緒にいる空間が、愛犬にとって世界で一番安心できる場所であるというアピールです。
鼻の違和感を解消している
単純に鼻にゴミが入ったり、乾燥していたりして、鼻の通りを良くするために空気を強く押し出しているだけの場合もあります。人間が鼻をすするのと同じような感覚です。特に散歩から帰った直後や、部屋の掃除をした後などにフンッという音が続くなら、鼻の粘膜に付着した花粉やホコリを外に出そうとしている生理現象といえます。
また、寝起きに鼻が乾燥しているときも、湿り気を与えるために鼻を鳴らすことがあります。これらは感情とは無関係な「お掃除」のようなもの。一回や二回で収まり、その後に普段通りの呼吸をしていれば問題ありません。
もし何度も執拗に繰り返したり、前足で鼻を気にする仕草を見せたりする場合は、異物混入や炎症がないかチェックが必要です。
音の種類でわかる犬の気持ちと状態

一口に鼻を鳴らすといっても、その音色はさまざま。音の響きによって、愛犬が何を伝えようとしているのかを探ってみましょう。
フンッという短い音
これは「納得」や「要求」のシーンでよく聞かれます。飼い主さんが自分の要求を聞いてくれないときに「ちぇっ」と拗ねてみせたり、逆に散歩の準備を始めたのを見て「よし、行くぞ」と気合を入れたり。コミュニケーションの一環として使われることが多い音です。
面白いことに、この短い音を出すタイミングは非常に絶妙で、まるでこちらの言葉を理解しているかのように聞こえることがあります。「そろそろご飯かな?」と話しかけた瞬間にフンッと短く鳴らすのは、ポジティブな返事である可能性が高いでしょう。
犬なりに鼻の筋肉を器用に使って、今の気分を短い単語のように表現しているのです。この「短いフンッ」は、飼い主さんとの会話を楽しんでいるサインでもあります。
グーグーという喉にかかるような音

寝ているとき以外にグーグー鳴らすのは、フレンチブルドッグやパグなどの短頭種によく見られる特徴です。構造上、鼻の奥が狭いために音が出やすいのですが、起きているときにあまりに激しく鳴る場合は、呼吸がしづらいサインかもしれません。
短頭種の場合、この音は日常的に聞かれるものですが、興奮した際や気温が高い日に音が大きくなるようなら注意が必要です。喉の軟口蓋が長すぎて空気の通り道を塞いでいたり、鼻の穴が狭すぎたりすることで、一生懸命に空気を吸い込もうとしてこの音が発生します。
愛犬にとっては「普通」の音だと思っていても、実は呼吸に大きな負担がかかっていることも。日頃からどの程度の音なら平常時なのかを把握しておくことが、健康維持には欠かせません。
フガフガという興奮混じりの音
おやつを見つけたときや、大好きな飼い主さんが帰宅したときなど、テンションが上がるとフガフガと鼻を鳴らすことがあります。これは「嬉しい!」「早くちょうだい!」という期待感の爆発。鼻をフガフガさせながら尻尾を振っているなら、全力で喜んでいる証拠です。
この音が出ているとき、犬の脳内ではドーパミンが溢れ出し、ワクワクが止まらない状態になっています。あまりの嬉しさに、鼻から抜ける空気のコントロールが効かなくなっている微笑ましい姿といえるでしょう。
ただし、興奮しすぎるとそのまま咳き込んでしまったり、過呼吸気味になったりすることもあるので、あまりに激しい場合は、一度優しく声をかけて落ち着かせてあげるようにしてくださいね。
ブーブーという不満そうな音
どこか豚さんの鳴き声に似たブーブーという音。これは「もっと遊んでよ」「それ僕のご飯でしょ?」といった、甘えとセットの不満を表すときに出やすい音です。低いトーンで連続して鳴るのが特徴で、要求が通らないことへの小さな抗議といったところでしょうか。
単なる怒りではなく「ねえねえ、聞いてよ」という甘えのニュアンスが強いため、飼い主さんの周りをウロウロしながらこの音を出すことが多いです。ちょっとワガママな気分のときに出やすい音なので、すぐに応じるのではなく「オスワリ」などの指示を出して、一度冷静にさせてから要望を聞いてあげると、しつけの面でも効果的です。
犬がフンッと鼻を鳴らすのは甘えたいサイン?

犬が飼い主さんの顔をじっと見つめながら鼻を鳴らすのは、立派な甘えの行動です。
注目を集めるための作戦
クーンと鳴くと怒られるかもしれないけれど、フンッなら気づいてもらえる。そんな学習をしている賢いワンちゃんもいます。鼻を鳴らしたあとに飼い主さんが「どうしたの?」と声をかけてくれるのを待っているのです。
犬は非常に観察眼が鋭いため、どの程度の音量やトーンなら飼い主さんが手を止めて自分を見てくれるのかを熟知しています。特に作業に集中しているときに、足元でフンッとされるのは、愛犬からの「僕の存在を忘れないで」という健気なアピール。
ここで無視を続けると、さらに大きな音を出したり、前足でカリカリと引っ掻いたりと行動がエスカレートすることも。少しだけ手を止めて優しく撫でてあげるだけで、愛犬の満足度はグッと高まるはずです。
親愛の情を伝えている
撫でている最中に鼻をフガフガさせるのは、気持ちよさに浸っているサイン。リラックスと信頼の裏返しと言えるでしょう。このときの鼻鳴らしは、猫がゴロゴロと喉を鳴らすのに近い感覚です。
大好きな飼い主さんに触れられることで、幸福感や安心感が最高潮に達している証拠。鼻を鳴らしながら体を預けてきたり、お腹を見せたりするようなら、それは全幅の信頼を寄せている証です。犬にとって、自分の弱点である鼻周辺を鳴らして感情を表現するのは、相手を敵だと思っていないからこそできることなんですよ。
苦しそうなフンッには要注意

中には、感情表現ではなく体の異変を知らせる鼻鳴らしもあります。いつもと様子が違うと感じたら、以下のポイントをチェックしてください。
逆くしゃみの可能性
突然フガフガ、ズーザーと鼻から空気を激しく吸い込むような動作をすることがあります。これは「逆くしゃみ」と呼ばれる現象で、多くの場合は数分で収まり、命に別状はありません。
ただ、初めて見ると非常に苦しそうに見えるため、驚く飼い主さんも多いです。首を前に突き出し、口を閉じたまま必死に空気を吸い込むような仕草が特徴。
原因は完全には解明されていませんが、喉の奥の粘膜が刺激されることで起こると言われています。発作が起きたときは、落ち着いて背中をさすってあげたり、鼻の穴を軽く指で塞いで口呼吸を促したりすると、早く収まることがあります。
ただし、発作が頻繁に起こる場合や、時間が長くなる場合は、他の呼吸器疾患の可能性もあるため、一度動画に撮って獣医さんに見せると安心です。
鼻炎やアレルギー
鼻水が止まらなかったり、頻繁にフンフンと鼻を気にしたりする場合は、鼻炎やアレルギーの可能性があります。ハウスダストや花粉が原因で鼻の粘膜が腫れ、呼吸音が変わってしまうことがあるのです。
犬も人間と同じように、季節の変わり目や環境の変化で鼻炎を起こします。フンッという音が湿り気を帯びていたり、透明な鼻水が垂れていたりする場合は、炎症を起こしているサイン。
放置すると蓄膿症に発展したり、嗅覚が衰えて食欲不振に陥ったりすることもあります。また、特定の芳香剤や柔軟剤の香りに反応して鼻を鳴らすケースも少なくありません。愛犬が特定の場所や時間帯にだけ鼻をフガフガさせるようなら、身の回りに原因物質がないか、飼育環境を見直してみてくださいね。
心臓や呼吸器の病気
寝ているとき以外も常にグーグー、ブーブーと音がしている、あるいは少し動いただけで苦しそうに鼻を鳴らす場合は要注意。心肥大や軟口蓋過長症など、治療が必要な疾患が隠れているかもしれません。
特に高齢犬の場合、心臓の機能が低下して肺に水が溜まる「肺水腫」の初期症状として、鼻を鳴らすような苦しそうな呼吸が見られることがあります。ただの「鼻詰まりかな?」と見過ごしてしまうと、命に関わる事態になりかねません。
激しい運動をしていないのに呼吸が速い、舌の色が紫がかっている、横になって寝るのを嫌がるといった様子が併発しているなら、すぐに動物病院へ。
まとめ
犬が鼻を鳴らす仕草には、日常のちょっとした感情の揺れから、見逃してはいけない体調のサインまで、実に多くの情報が含まれています。
短い「フンッ」であれば、それはあなたとの会話を楽しんでいる証拠や、自分なりに折り合いをつけた納得の印。そんなときは「わかったよ」と優しく声をかけてあげてください。
もし、鼻を鳴らす頻度が急に増えたり、苦しそうな様子が見られたりしたときは、迷わず動物病院を受診してください。
著者
DogLife編集部



