20 March.
老犬のうんちまみれ対策7選!原因別の予防と介護のコツ
老犬がうんちまみれになる原因(筋力低下・認知症・下痢)と具体的な対策を介護経験者が解説。おむつの選び方、環境整備、食事管理まで網羅した実践ガイドです。

「朝起きたら愛犬がうんちまみれになっていた……」
老犬の介護をしている飼い主さんなら、一度は経験したことがあるのではないでしょうか。私自身、16歳のゴールデンレトリバーの介護を経験しましたが、最初にうんちまみれの愛犬を見たときは、どうしたらいいのか途方に暮れたことを今でも覚えています。
老犬がうんちまみれになるのは、加齢による身体機能の低下が主な原因です。しかし、正しい知識と対策があれば、愛犬も飼い主さんも快適に過ごすことができます。この記事では、老犬がうんちまみれになる原因を丁寧に解説した上で、おむつの正しい使い方、トイレ環境の整備、食事管理など、今日から実践できる具体的な対策を7つご紹介します。
介護は決して一人で抱え込むものではありません。この記事が、老犬介護に奮闘する飼い主さんの少しでもお役に立てれば幸いです。
老犬がうんちまみれになる5つの原因

老犬がうんちまみれになるのには、必ず理由があります。
1. 肛門括約筋・後ろ足の筋力低下
加齢とともに、排便をコントロールする肛門括約筋の機能が低下します。若い頃はトイレまで我慢できていた犬でも、筋力が衰えると「出したいタイミング」で排泄できず、寝ている間や移動中に便が漏れてしまうことがあります。
また、後ろ足の筋力が落ちると、排便時に踏ん張る力が弱くなり、正しい排便姿勢を維持できません。その結果、お尻周りや後ろ足にうんちが付着してしまうのです。
2. 認知機能の低下(認知症)
犬の認知症(認知機能不全症候群)は、11歳以上のシニア犬の約3割に見られるとされています。認知症になると、トイレの場所がわからなくなったり、排便したこと自体を認識できなくなることがあります。
夜中に徘徊しながら排便してしまい、その上を歩き回ることで全身がうんちまみれになるケースも少なくありません。
3. 下痢・軟便による汚れの広がり
老犬は消化機能が低下しやすく、下痢や軟便になりがちです。通常の硬さの便であればお尻周りだけの汚れで済むところ、下痢便は広範囲に広がりやすく、被毛に絡みつきやすいのが厄介なポイントです。
下痢が続く場合は、食事内容の問題だけでなく、膵炎や腸炎などの病気が隠れている可能性もあるため、獣医師への相談をおすすめします。
4. 寝たきりによる排泄困難
寝たきりの老犬は、自力で排便姿勢をとることができません。横になったまま排便するため、身体の下に便が溜まり、体重で押しつぶされて広範囲にうんちまみれになりやすくなります。
5. 関節痛・ヘルニアなどの痛み
関節炎や椎間板ヘルニアなどで痛みがある場合、トイレに行くこと自体を嫌がるようになります。ギリギリまで我慢した結果、トイレ以外の場所で排便してしまうことがあります。
今日からできる!老犬のうんちまみれ対策7選

原因がわかったところで、具体的な対策を見ていきましょう。すべてを一度に始める必要はありません。愛犬の状態に合わせて、できるところから取り入れてみてください。
対策1: 犬用おむつの正しい選び方と使い方
老犬のうんちまみれ対策として最も即効性があるのが、犬用おむつの活用です。
おむつ選びのポイント
- 体のサイズに合ったものを選ぶ(きつすぎると皮膚トラブル、緩すぎると漏れの原因に)
- 尿取りパッドとの併用でコスパアップ
- しっぽ穴の位置が合っているか確認する
使用上の注意点
- 2〜3時間おきにこまめに交換する
- おむつかぶれを防ぐため、交換時にお尻周りを清潔に拭く
- 人間の赤ちゃん用おむつをリメイクする方法もコスト面で有効
私の経験では、最初はおむつを嫌がる子が多いですが、装着後におやつをあげるなど「おむつ=良いこと」と関連づけると、数日で慣れてくれることがほとんどでした。
対策2: トイレ環境の徹底整備
老犬にとって使いやすいトイレ環境を整えることは非常に重要です。
- トイレシートを広めに敷く(通常の1.5〜2倍の面積)
- 寝床のすぐそばにトイレを設置する
- トイレまでの動線に滑り止めマットを敷く
- 夜間は足元にフットライトを設置する
- トイレの段差をなくすか、スロープを設置する
認知症の犬の場合は、トイレシートの下にペット用消臭スプレーではなく、あえて少し排泄の匂いを残しておくと、嗅覚を頼りにトイレの場所を認識しやすくなります。
対策3: 食事管理で便の状態を改善する
便の硬さや量をコントロールすることで、うんちまみれのリスクを大幅に減らせます。
食事管理のポイント
- シニア用の消化に良いフードに切り替える
- 食物繊維を適度に含むフードを選ぶ(便の硬さを適正に保つ) -
- 1日の食事回数を2〜3回に分けて、一度に大量に食べさせない
- 食事の時間を一定にして排便リズムを整える
- 水分摂取量を適切に管理する
食事後30分〜1時間で排便する犬が多いため、食後のタイミングでトイレに連れて行く習慣をつけると、計画的な排便管理がしやすくなります。
対策4: お尻周りの被毛ケア
長毛種の場合、お尻周りの被毛にうんちが絡みつきやすくなります。
- 肛門周りの毛を短くカットする(自宅またはトリミングサロンで)
- バリカンを使う場合は、犬用の刃先が丸いタイプを使用する
- 定期的にお尻周りを温かいタオルで拭く習慣をつける
被毛を短くするだけで、日々の清掃がぐっと楽になります。
対策5: 防水シーツ・洗えるペットシーツの活用
寝たきりや半寝たきりの老犬には、防水対策が欠かせません。
- ベッドの上に防水シーツを敷く
- 洗えるペットシーツを複数枚用意してローテーションする
- 使い捨てペットシーツと洗えるシーツを併用してコストを抑える
- サークル内の床全体にシーツを敷き詰める
洗えるペットシーツは初期コストはかかりますが、長期的に見ると使い捨てシーツよりも経済的です。
対策6: 排便タイミングの記録と管理
愛犬の排便パターンを把握することで、先回りして対策を打てるようになります。
- 排便の時間、量、便の状態を記録する
- 食事時間と排便時間の関連を分析する
- パターンが見えてきたら、排便予想時刻の前にトイレに誘導する
- スマートフォンのメモアプリやノートで記録を続ける
最初は面倒に感じるかもしれませんが、1〜2週間続けると愛犬の排便リズムが見えてきます。このデータは獣医師に相談する際にも非常に役立ちます。
対策7: 排便介助の正しい方法
自力で排便できない老犬には、飼い主さんの介助が必要です。
- 愛犬を支えて立たせる(後ろ足が弱い場合は介護用ハーネスを使用)
- お腹を優しくマッサージして腸の動きを促す
- 排便姿勢を保てるよう、腰やお腹の下に手を添える
- 排便後はすぐにお尻周りを温かいウェットティッシュで拭く
完全に寝たきりの場合は、横向きに寝かせた状態でお腹を「の」の字にマッサージすると排便を促しやすくなります。
老犬介護を続けるための飼い主さんのメンタルケア

老犬の介護は愛犬のケアだけでなく、飼い主さん自身の心と体の健康も大切です。長く続く介護を乗り越えるために、メンタルケアの方法も知っておきましょう。
介護疲れを溜め込まないために
老犬の介護は、身体的にも精神的にも大きな負担がかかります。毎日のうんちの処理に疲れ果てて、愛犬に対してイライラしてしまう自分を責めてしまう飼い主さんも少なくありません。
しかし、飼い主さんが倒れてしまっては元も子もありません。以下のような工夫で、介護の負担を軽減しましょう。
- 家族で介護を分担する
- ペットシッターや老犬ホームのデイサービスを利用する
- SNSなどで同じ境遇の人とつながる
- 完璧を目指さない
専門家の力を借りる
うんちまみれが頻繁に起きる場合は、獣医師に相談して便の状態を改善する薬や療法食を処方してもらうことも選択肢の一つです。また、動物看護師やペットケアマネージャーなどの専門家に介護の相談ができるサービスも増えています。
便の状態から健康チェック!こんなうんちは要注意

うんちの処理をするついでに、便の状態を毎日チェックする習慣をつけましょう。色や形状の変化は、老犬の体調悪化を早期に発見する大切な手がかりになります。
獣医師に相談すべき便の異常
日々の排便チェックは、老犬の健康管理において非常に重要です。
便の状態 | 考えられる原因 |
|---|---|
黒いタール状の便 | 上部消化管の出血(胃・十二指腸) |
赤い血が混じる便 | 大腸・肛門付近の出血 |
白っぽい便 | 膵臓や肝臓の異常 |
粘液が多い便 | 大腸炎・ストレス |
3日以上の便秘 | 腸閉塞・脱水・運動不足 |
上記のような便が見られた場合は、できるだけ早く獣医師の診察を受けてください。便のサンプルをラップに包んで持参すると、診断がスムーズです。
老犬のうんちまみれに関するよくある質問(FAQ)
老犬のうんちまみれ対策について、介護中の飼い主さんからよく寄せられる質問をまとめました。日々のお悩み解決のヒントにしてください。
Q1. 老犬のおむつは何時間おきに替えるべきですか?
基本的には2〜3時間おきの交換が理想です。ただし、下痢をしている場合は汚れたらすぐに交換してください。長時間の装着はおむつかぶれの原因になります。就寝中は夜中に1回は確認するようにしましょう。
Q2. 人間用のおむつを犬に使っても大丈夫ですか?
はい、人間の赤ちゃん用おむつを犬に使うことは可能です。しっぽの位置に穴を開けて使用する飼い主さんも多いです。犬用おむつよりもコストを抑えられるメリットがありますが、サイズ感が異なるため、フィット感を確認しながら使ってください。
Q3. 老犬が夜中にうんちまみれになるのを防ぐ方法はありますか?
夕食の時間を早めに設定し、就寝前にトイレに連れて行く習慣をつけることが効果的です。また、寝床の周りに防水シーツを敷いておくと、万が一の場合も被害を最小限に抑えられます。排便パターンを記録して、夜間の排便タイミングを予測することも有効です。
Q4. うんちまみれになった老犬を効率よくきれいにする方法は?
まず固形の便を取り除き、次にペット用ウェットティッシュで大まかな汚れを拭き取ります。その後、ぬるま湯で汚れた部分だけを洗い流すのが効率的です。全身をお風呂に入れるのは老犬の体力的な負担が大きいため、部分洗いを基本にしましょう。ドライシャンプーも活用できます。
Q5. 認知症の老犬のトイレ対策はどうすればよいですか?
認知症の犬はトイレの場所を忘れてしまうため、生活スペース全体をトイレシートで覆う方法が現実的です。また、サークルで安全な範囲を区切り、その中全体にシーツを敷く方法も有効です。認知症の進行を遅らせるためのサプリメントや療法食について、獣医師に相談することもおすすめします。
まとめ
老犬がうんちまみれになるのは、加齢に伴う自然な変化であり、飼い主さんのしつけの問題ではありません。大切なのは、原因を正しく理解し、愛犬の状態に合った対策を講じることです。
老犬介護は長期戦になることが多いですが、一人で抱え込まず、周囲の力を借りながら、愛犬との残された時間を大切に過ごしていただければと思います。
著者
DogLife編集部
