26 March.
犬の白髪の原因と対策!生えやすい部位・犬種・病気との関係を徹底解説
犬にも白髪が生えるって知っていましたか?加齢・ストレス・遺伝による白髪の原因、生えやすい部位や犬種、病気との関係、効果的なケア方法まで詳しく解説します。愛犬の白髪が気になる飼い主さん必見です。

「うちの子、まだ若いのに白い毛が混じってきた気がする…」 「最近、顔まわりの毛がだんだん白っぽくなってきたけど、これって普通なの?」
愛犬の被毛に白い毛を見つけると、「もう歳なのかな」「何か病気のサインでは?」と心配になりますよね。実は犬にも人間と同じように白髪が生えます。加齢による自然な変化であることが多いですが、ストレスや栄養不足、まれに病気が原因となることもあります。
この記事では、犬の白髪が生える仕組みや原因を科学的な視点から解説し、白髪が生えやすい部位・犬種の傾向、病気との関係、そして日常でできるケア方法まで解説します。
犬に白髪が生えるメカニズムと主な原因

犬の毛の色は「メラニン色素」によって決まります。白髪が生えるのは、このメラニン色素の生成に関わる仕組みに変化が起こるためです。
メラニン色素と白髪の関係
犬の毛の色は、毛根にあるメラノサイト(色素細胞)がメラニン色素を作ることで決まります。メラニンには黒〜茶色のユーメラニンと、黄〜赤色のフェオメラニンの2種類があり、これらの割合によって毛の色が変わります。
白髪は、メラノサイトの機能が低下してメラニン色素が十分に作られなくなった結果、色のない(白い)毛が生えてくる現象です。人間の白髪と基本的な仕組みは同じです。
加齢による白髪(もっとも一般的な原因)
犬の白髪のもっとも一般的な原因は加齢です。年齢を重ねるとメラノサイトの機能が徐々に衰え、新しく生えてくる毛にメラニンが十分に供給されなくなります。
犬の白髪が目立ち始める年齢の目安は以下のとおりです。
犬のサイズ | 白髪が目立ち始める目安 |
|---|---|
小型犬 | 8〜10歳頃 |
中型犬 | 7〜9歳頃 |
大型犬 | 5〜7歳頃 |
大型犬は小型犬に比べて老化のスピードが早い傾向があるため、白髪が出始める時期も早くなります。ただし、個体差が大きいため、これらはあくまで目安です。
ストレスによる白髪
人間と同様に、犬もストレスが原因で白髪が増えることがあります。2016年にアメリカの研究チームが発表した論文では、不安や恐怖心の強い犬ほど、若い年齢で口元の白髪が増える傾向があるという結果が報告されています。
犬にとってストレスになりやすい要因としては、以下が挙げられます。
- 引っ越しや生活環境の大きな変化
- 長時間の留守番
- 家族構成の変化(新しいペットの追加、家族の離別など)
- 騒音(雷、花火、工事音など)
- 運動不足や退屈
- 飼い主との関係のストレス
ストレスはホルモンバランスや血行に影響を与え、メラノサイトの機能低下を促進すると考えられています。
遺伝・体質による白髪
犬の白髪の出やすさは、遺伝的要因にも左右されます。親犬が若い頃から白髪が多かった場合、その子犬も早い段階で白髪が生えてくる可能性があります。
また、特定の毛色の犬は白髪が目立ちやすいという特徴もあります。黒毛やダークカラーの犬は白い毛が目立ちやすく、明るい毛色の犬では気づきにくい傾向があります。
栄養不足による白髪
メラニン色素の生成には、さまざまな栄養素が関わっています。特に以下の栄養素が不足すると、白髪が増える可能性があります。
- チロシン: メラニンの原料となるアミノ酸
- 銅: メラニン合成に必要な酵素(チロシナーゼ)の活性に不可欠
- 亜鉛: 毛の成長とメラニン生成をサポート
- ビタミンB群: 細胞の代謝に関与
質の良いドッグフードを適切な量与えていれば通常は問題ありませんが、手作り食の場合はこれらの栄養素が不足していないか注意が必要です。
犬の白髪が生えやすい部位と犬種の傾向

白髪の出方には部位や犬種による特徴があります。これらを知っておくと、愛犬の変化に気づきやすくなります。
白髪が最初に現れやすい部位
犬の白髪は、一般的に以下の順番で目立ち始めます。
1. 口元・マズル周辺 もっとも早く白髪が現れやすい部位です。犬の老化を示す最初のサインとして知られています。黒かった口元の毛がグレーから白へと変化していきます。
2. 目の周り・眉毛部分 口元に続いて、目の上やまぶたの周辺にも白い毛が増えてきます。「眉毛」のように見える部分が白くなると、表情が柔らかく見えるようになります。
3. 顔全体・額 加齢が進むと、顔全体にグレーや白の毛が広がります。
4. 胸・お腹まわり 顔の次に白髪が目立ちやすいのが胸やお腹の部分です。
5. 体全体 さらに高齢になると、背中や脚など体全体に白い毛が混じるようになります。
白髪が目立ちやすい犬種・目立ちにくい犬種
犬種によって、白髪の出やすさや目立ちやすさに差があります。
白髪が目立ちやすい犬種
- ラブラドール・レトリバー(特にブラック)
- ジャーマン・シェパード
- ロットワイラー
- 黒柴
- ミニチュア・シュナウザー(ソルト&ペッパー)
白髪が目立ちにくい犬種
- ゴールデン・レトリバー(明るい毛色のため)
- マルチーズ、ビション・フリーゼ(元から白毛)
- ダルメシアン(白黒の模様があるため判別しにくい)
若白髪が起きやすい犬種
特定の犬種では、2〜3歳といった若い年齢でも白髪が目立つことがあります。
- プードル: 特にブラックやブラウンのプードルは若いうちから退色(フェーディング)が起こりやすく、白髪と混同されることがあります
- シュナウザー: ソルト&ペッパーの毛色は年齢とともに明るくなりやすい傾向があります
- シベリアン・ハスキー: マスク部分の毛色が若くても変化することがあります
犬の白髪と病気の関係

ほとんどの場合、犬の白髪は加齢による自然な現象ですが、まれに病気が関連していることもあります。
甲状腺機能低下症と白髪
甲状腺機能低下症は、甲状腺ホルモンの分泌が低下する病気で、中〜大型犬に多く見られます。この病気では、以下のような症状とともに被毛の変化が起こることがあります。
- 毛が薄くなる、脱毛
- 毛質がパサパサになる
- 毛色が薄くなる、白髪が増える
- 体重増加
- 元気がなくなる、活動性の低下
- 寒がるようになる
白髪の増加に加えてこれらの症状が見られる場合は、血液検査で甲状腺ホルモンの値を確認してもらうことをおすすめします。
クッシング症候群(副腎皮質機能亢進症)
クッシング症候群は、副腎皮質ホルモン(コルチゾール)が過剰に分泌される病気です。この病気でも被毛の変化が起こり、毛色が薄くなったり白髪が増えたりすることがあります。
主な症状は以下のとおりです。
- 多飲多尿
- 食欲の異常な増加
- お腹が膨れる(ポットベリー)
- 左右対称の脱毛 - 皮膚が薄くなる
白斑症(バイチリゴ)
白斑症は、メラノサイトが免疫の異常によって破壊されることで、皮膚や被毛の一部が白くなる疾患です。犬では比較的まれですが、ロットワイラー、ドーベルマン、ジャーマン・シェパードなどで報告例があります。
白斑症は単なる白髪とは異なり、皮膚自体の色も抜けるのが特徴です。鼻や唇の色が薄くなったり、パッチ状に白い部分が広がったりする場合は、白斑症の可能性を考慮して獣医師に相談しましょう。
病院に行くべきサイン
以下のような場合は、白髪そのものというよりも、背景にある病気の可能性を考えて受診をおすすめします。
- 急激に白髪が増えた(数週間〜1ヶ月程度で目立つようになった)
- 白髪とともに脱毛がある
- 皮膚の色も変化している
- 元気や食欲の低下を伴う
- 体重の急激な増減がある
- 多飲多尿などの全身症状がある
愛犬の白髪ケア方法と予防のためにできること

犬の加齢による白髪を完全に止めることはできませんが、日常のケアで白髪の進行を穏やかにしたり、健康な被毛を維持したりすることは可能です。
食事面でのケア
メラニン色素の生成をサポートする栄養素を意識的に取り入れましょう。
チロシンを含む食材
- ささみ、胸肉などの鶏肉
- カッテージチーズ
- ヨーグルト(無糖)
- 納豆
- 豆腐
- かつお節
- 煮干し
銅・亜鉛を含む食材
- レバー(少量をトッピングに)
- 卵
- 牡蠣(加熱したもの、少量)
ドッグフードに少量のトッピングとして加えるのが手軽でおすすめです。ただし、与えすぎは栄養バランスを崩す原因になるため、トッピングはフード全体の10〜20%以内に抑えましょう。
マッサージと血行促進
白髪が出やすい部位は、筋肉が凝り固まりやすい部分とも重なります。定期的なマッサージで血行を促進し、メラノサイトへの栄養供給をサポートしましょう。
簡単にできるマッサージ方法
- 口元からこめかみにかけて、指の腹で優しく円を描くようにマッサージ
- 耳の付け根を親指と人差し指で軽くつまんでほぐす
- 首から肩にかけて、手のひら全体で優しくなでるように圧をかける
- 1回3〜5分程度、リラックスしているときに行う
マッサージはスキンシップにもなるため、ストレス軽減にも効果的です。
ストレス管理
ストレスは白髪の原因の1つです。愛犬のストレスを減らすために、以下のことを心がけましょう。
- 毎日の適度な運動(散歩・遊びの時間の確保)
- 安心できる居場所の確保
- 生活リズムの安定
- スキンシップの時間を大切にする
- 留守番のときは退屈しない工夫(知育玩具など)を用意する
やってはいけないこと
愛犬の白髪が気になっても、以下のことは避けてください。
- 白髪を抜く: 毛根を傷つけ、皮膚トラブルの原因になります
- 人間用の白髪染めを使う: 犬にとって有害な化学物質が含まれており、皮膚炎や中毒を引き起こす危険性があります
- サプリメントの過剰摂取: 特定の栄養素を過剰に与えることは、かえって健康を害する可能性があります。サプリメントの使用は獣医師に相談してから始めましょう
犬の白髪に関するよくある質問(FAQ)
犬の白髪について、飼い主さんからよくいただく質問とその回答をまとめました。愛犬の白髪が気になっている方は、ぜひチェックしてみてくださいね。
Q1: 犬の白髪は元の色に戻ることはありますか?
A: 加齢による白髪は、残念ながら元の色に戻ることは基本的にありません。ただし、ストレスや栄養不足が原因の場合は、原因を解消することで新しく生えてくる毛に色が戻ることがあります。また、甲状腺機能低下症などの病気が原因の場合は、適切な治療を行うことで毛色が改善するケースもあります。
Q2: 2歳の犬に白髪が生えてきたのですが、異常ですか?
A: 2歳で白髪が見られるのは「若白髪」に分類されます。プードルやシュナウザーなど一部の犬種では、遺伝的に若い頃から毛色が変化(退色)することがあり、異常ではない場合も多いです。ただし、急に白髪が増えた場合や、脱毛・皮膚の変化を伴う場合は、念のため獣医師に相談してください。
Q3: 犬の白髪を染めても大丈夫ですか?
A: 人間用の白髪染めやヘアカラーは、犬に使用してはいけません。犬の皮膚は人間よりも薄く敏感で、化学物質によるアレルギーや中毒のリスクがあります。ペット用のカラーリング剤も販売されていますが、犬の皮膚や健康への影響を考慮し、使用は推奨しません。白髪は加齢の自然な証であり、そのまま受け入れてあげるのがベストです。
Q4: 白髪が増えたということは、犬の寿命が近いということですか?
A: 白髪が増えたからといって、すぐに寿命に結びつくわけではありません。白髪は加齢のサインの1つですが、犬の健康状態や寿命はさまざまな要因によって決まります。白髪があっても元気に活動しているシニア犬はたくさんいます。白髪の量よりも、食欲、活動性、排泄の状態など全体的な健康状態に注目することが大切です。
Q5: フードを変えたら白髪が減ることはありますか?
A: フードの変更だけで白髪が劇的に減ることは期待しにくいですが、栄養バランスの改善はメラニン色素の生成をサポートする可能性があります。特に、良質なタンパク質やチロシン、銅、亜鉛などの栄養素が十分に含まれたフードに切り替えることで、被毛全体の健康状態の改善が期待できます。フードの変更は急に行わず、1〜2週間かけて徐々に切り替えましょう。
まとめ
犬の白髪は、メラノサイトの機能低下により、5〜10歳頃から口元や目の周りを中心に白髪が増え始めます。
バランスの良い食事、マッサージによる血行促進、ストレス管理を心がければ、白髪の進行を食い止めることができます。
とはいえ、白髪は病気ではなく、一緒に歩んできた年月の証でもあります。あたたかい気持ちで受け入れてあげてくださいね。
著者
DogLife編集部



