25 March.
犬がよだれをぽたぽた急に垂らす原因と対処法!すぐ病院に行くべきケースも解説
犬が急によだれをぽたぽた垂らし始めたら要注意。口腔内の異常・中毒・車酔い・ストレス・てんかん前兆など考えられる原因と、すぐに動物病院へ行くべきケース、自宅でできる対処法を詳しく解説します。

「さっきまで元気だったのに、急によだれがぽたぽた止まらなくなった…」
愛犬のそんな姿を見ると、飼い主としては不安でたまらないですよね。犬はもともとよだれが出やすい動物ですが、普段と明らかに量が違ったり、突然ぽたぽたと垂れ始めたりした場合は、何かしらの異常が隠れているサインかもしれません。
よだれの量が急に増える原因は、一時的なストレスや車酔いのような軽いものから、中毒やてんかん、胃捻転のように命に関わるものまでさまざまです。「少し様子を見よう」と思っているうちに、手遅れになってしまうケースも実際にあります。
この記事では、犬が急によだれをぽたぽた垂らす原因を網羅的に解説するとともに、「すぐに病院に行くべきケース」と「自宅でできる対処法」を分かりやすくまとめました。愛犬の異変にいち早く気づき、適切な対応ができるよう、ぜひ最後まで読んでみてください。
犬が急によだれをぽたぽた垂らす7つの原因

犬のよだれが突然増える原因は多岐にわたります。ここでは、代表的な7つの原因を詳しく見ていきましょう。
口腔内の異常(歯周病・口内炎・腫瘍)
犬のよだれが急に増える原因としてもっとも多いのが、口の中のトラブルです。
歯周病は3歳以上の犬の約80%がかかっているといわれるほど一般的な疾患で、歯茎の炎症や歯のぐらつきによって、よだれの量が増加します。口臭がきつくなったり、食事中に痛そうにしたりする様子があれば、歯周病が進行している可能性が高いです。
口内炎は口の粘膜に炎症が起きた状態で、痛みからよだれを飲み込めなくなります。また、口の中にできた腫瘍もよだれが増える原因になります。特に高齢犬では悪性腫瘍の可能性もあるため、口の中に普段と違うしこりや変色を見つけたら、早めに受診しましょう。
異物の誤飲・誤食
犬は好奇心旺盛で、おもちゃの破片、骨、石、ひも状のものなどを飲み込んでしまうことがあります。異物が喉や食道に引っかかると、強い不快感からよだれが大量に出ます。
特に注意が必要なのは、鶏の骨(割れて鋭利になり内臓を傷つける)、ひも状の異物(腸閉塞を起こす)、電池やマグネット(化学損傷や腸穿孔の原因になる)です。異物を飲み込んだ疑いがあるときは、自己判断で吐かせようとせず、すぐに動物病院を受診してください。
中毒(食べ物・植物・化学物質)
人間にとっては無害でも、犬にとっては有毒な食べ物や植物は多く存在します。
- 食べ物: チョコレート、キシリトール、ブドウ・レーズン、玉ねぎ、ニンニク
- 植物: ユリ科の植物、アザレア、ツツジ、スズラン、ソテツ
- 化学物質: 不凍液(エチレングリコール)、殺虫剤、人間用の薬
中毒の初期症状として、よだれの増加、嘔吐、下痢、ぐったりするなどの症状が現れます。何を口にしたか分かっている場合は、その情報を動物病院に伝えることで、適切な治療をより早く受けられます。
車酔い・乗り物酔い
車での移動中によだれが増えるのは、車酔い(動揺病)の典型的な症状です。特に子犬や車に慣れていない犬に多く見られます。
車酔いの場合は、あくび、リップスマッキング(唇をペロペロする)、落ち着きがなくなる、嘔吐といった症状を伴うことが多いです。車酔いによるよだれは一時的なもので、車から降りればおさまるのが通常です。
ストレス・不安・恐怖
雷や花火の音、見知らぬ場所への移動、動物病院への通院など、犬が強いストレスや恐怖を感じたときにも、よだれが急に増えることがあります。
ストレスが原因の場合、よだれ以外にもパンティング(荒い呼吸)、震え、尻尾を下げる、耳を伏せるといった行動の変化が見られます。ストレスの原因が取り除かれれば、よだれも自然とおさまります。
てんかんの前兆(前駆症状)
てんかん発作の前に、よだれが大量に出ることがあります。これは前駆期と呼ばれる発作前の段階で、数分から数時間前に現れることがあります。
てんかんの前兆としてのよだれには、以下のような特徴があります。
- 落ち着きがなくなり、ウロウロ歩き回る
- 舌をペロペロとなめる動作が増える
- 飼い主にしがみつくような行動を見せる
- 瞳孔が開く
愛犬にてんかんの既往歴がある場合は、よだれの急な増加を見逃さず、発作に備えた対応(周囲の安全確保など)を準備しましょう。
胃拡張・胃捻転症候群(GDV)
胃拡張・胃捻転症候群(GDV)は、犬の緊急疾患のなかでもっとも危険なもののひとつです。胃がガスで膨張し、さらにねじれてしまう状態で、処置が遅れると数時間で命を落とすこともあります。
大型犬や胸の深い犬種(グレート・デーン、ジャーマン・シェパード、セント・バーナードなど)に多く発生し、食後すぐの激しい運動がきっかけになることがあります。
GDVの症状として、大量のよだれに加え、お腹の異常な膨満、吐こうとしても吐けない、ぐったりする、呼吸困難などが見られます。これらの症状が出た場合は、一刻も早く動物病院を受診してください。
すぐに動物病院へ行くべき危険なサイン

よだれの増加だけでは、すぐに緊急事態とは限りません。しかし、以下のような症状を伴う場合は、様子を見ずに速やかに動物病院を受診してください。
緊急性の高い症状チェックリスト
以下の症状が1つでも当てはまる場合は、緊急性が高いと考えてください。
- お腹が異常に膨れている(胃捻転の疑い)
- 吐こうとしても吐けない(胃捻転・異物閉塞の疑い)
- ぐったりして立ち上がれない(中毒・ショック状態の疑い)
- 呼吸が荒い・呼吸困難(アナフィラキシー・熱中症の疑い)
- よだれに血が混じっている(口腔内の出血・内臓損傷の疑い)
- 痙攣・意識がない(てんかん重積発作・中毒の疑い)
- 異物を飲み込んだ直後
数時間以内に受診すべき症状
緊急ではないものの、当日中の受診が望ましい症状もあります。
- よだれが数時間以上止まらない
- 食事を拒否している
- 嘔吐や下痢を伴う
- 口の中に腫れ・変色・しこりがある
- 普段と比べて明らかに元気がない
- 顔が腫れている(虫刺されやアレルギー反応の疑い)
受診前に準備しておくこと
動物病院に連絡する際は、以下の情報を伝えるとスムーズに対応してもらえます。
- よだれが始まった時刻と経過時間
- よだれ以外の症状(嘔吐、下痢、震えなど)
- 心当たりのある原因(異物誤飲、有毒物質への接触など)
- 既往歴(てんかんや持病の有無)
- 最後に食事をした時間
犬のよだれが急に増えたときの対処法

原因や状況に応じた対処法を知っておくと、いざというときに冷静に行動できます。
口の中を安全に確認する方法
よだれの原因が口腔内のトラブルである場合、まず口の中を観察することが大切です。ただし、犬が痛みを感じているときは噛まれるリスクがあるため、慎重に行いましょう。
- 犬が落ち着いている状態で、明るい場所に移動する
- 犬の頭を優しく固定し、唇をめくって歯茎や歯の状態を確認する
- 可能であれば口を開けて、舌の裏側や喉の奥も確認する
- 異物が見えても、奥に押し込んでしまうリスクがあるため無理に取らない
異物が刺さっている場合や、腫れ・出血がある場合は、自己判断での処置は避け、動物病院での対応を優先してください。
誤飲・中毒が疑われる場合の応急処置
中毒や異物誤飲が疑われる場合は、以下の点に注意してください。
- 自己判断で吐かせない: 尖った異物や腐食性の化学物質の場合、吐かせることで食道を傷つける危険性があります
- 何を、いつ、どのくらい摂取したかメモする: 治療方針を決める重要な情報になります
- 残っている異物や包装を持参する: 獣医師が成分を確認しやすくなります
- 水や食事を無理に与えない: 症状を悪化させる可能性があります
ストレス・車酔いへの対策
ストレスや車酔いが原因の場合は、以下の方法で症状を軽減できます。
車酔い対策
- 乗車前2〜3時間は食事を控える
- 窓を少し開けて新鮮な空気を取り入れる
- 短い距離から徐々に慣らしていく
- 獣医師に相談して酔い止めの薬を処方してもらう
ストレス対策
- ストレスの原因をできるだけ取り除く
- 安心できるクレートやブランケットを用意する
- 雷や花火が苦手な犬には、防音対策を検討する
日常的な予防ケア
よだれのトラブルを予防するために、日頃から以下のケアを心がけましょう。
- 歯磨きの習慣: 毎日の歯磨きで歯周病を予防する
- 定期的な口腔チェック: 週に1回は口の中を観察する
- 危険物の管理: 中毒の原因になる食品・植物・化学物質を犬の手の届かない場所に保管する
- 定期健診: 年に1〜2回の健康診断で、口腔内を含む全身チェックを受ける
よだれが多い犬種と生理的なよだれの見分け方

犬種によっては、もともとよだれの量が多い場合があります。異常なよだれとの違いを理解しておくことも大切です。
もともとよだれが多い犬種
以下の犬種は、口の構造上よだれが多くなりやすいことが知られています。
- セント・バーナード
- マスティフ
- ブルドッグ
- バセット・ハウンド
- ニューファンドランド
- ブラッドハウンド
これらの犬種では、唇のたるみ(フルー)が大きいため、唾液が口の外に垂れやすくなっています。普段からよだれの量を把握しておくと、異常な増加に気づきやすくなります。
正常なよだれと異常なよだれの違い
項目 | 正常なよだれ | 異常なよだれ |
|---|---|---|
きっかけ | 食事前、おやつを見たとき | 突然、特にきっかけがない |
持続時間 | 一時的(数分程度) | 長時間続く |
量 | いつもと同程度 | 明らかに普段より多い |
色・質感 | 透明でサラサラ | 粘りがある、泡立つ、血が混じる |
他の症状 | なし | 元気がない、食欲低下、嘔吐など |
犬のよだれに関するよくある質問(FAQ)
犬のよだれに関して、飼い主さんからよくいただく質問をまとめました。緊急時の対応から日頃のケアまで、気になるポイントを解消していきましょう。
Q1: 犬が急によだれを垂らして震えています。どうしたらいいですか?
A: よだれと震えが同時に起こる場合は、痛み、中毒、てんかんの前兆、低体温など、深刻な状態の可能性があります。
特に、意識がもうろうとしている、嘔吐している、お腹が膨れているなどの症状を伴う場合は、すぐに動物病院を受診してください。夜間の場合は、救急対応の動物病院に連絡しましょう。
Q2: よだれが多いだけで元気な場合も病院に行くべきですか?
A: 元気で食欲もある場合は、緊急性は低いと考えられます。ただし、よだれの増加が1日以上続く場合や、口臭がきつくなった場合は、歯周病や口腔内のトラブルが進行している可能性があるため、早めの受診をおすすめします。
Q3: 犬のよだれに血が混じっているのは危険ですか?
A: よだれに血が混じっている場合は、口腔内の外傷、歯周病の重度な進行、腫瘍、異物による損傷などが考えられます。
少量であっても、できるだけ早く動物病院で診てもらいましょう。特に、大量の出血を伴う場合は緊急受診が必要です。
Q4: 老犬のよだれが増えてきたのですが、加齢のせいですか?
A: 高齢犬のよだれの増加は、加齢による口の筋力低下や唾液のコントロール機能の低下が一因となることがあります。
しかし、口腔内腫瘍、腎臓病、肝臓病など、シニア犬に多い病気が原因の場合もあります。加齢だからと自己判断せず、定期的な健康診断で原因を確認してもらうことをおすすめします。
Q5: 家でできる応急処置として、よだれを拭いてあげるだけでいいですか?
A: よだれを拭いてあげることは衛生面では良いことですが、根本的な解決にはなりません。よだれの原因を特定し、適切な対処をすることが大切です。
口の中に明らかな異常がないか確認し、原因に心当たりがない場合は、よだれが始まった時間や他の症状を記録した上で、動物病院に相談しましょう。
まとめ
犬が急によだれをぽたぽた垂らし始めたときは、原因がなんなのかを確認しましょう。口腔内の異常、異物誤飲、中毒、車酔い、ストレス、てんかんの前兆、胃捻転など、軽度なものから命に関わるものまでさまざまです。
お腹の膨満、吐けないのに吐こうとする、ぐったりしている、痙攣などの症状を伴う場合は、すぐに動物病院を受診してください。
愛犬の「いつもと違う」に気づけるのは、毎日一緒に過ごしている飼い主さんだからこそ。少しでも気になることがあれば、迷わずかかりつけの獣医師に相談してくださいね。
著者
DogLife編集部



