24 March.
犬が急に落ち着きがない原因10選!危険なサインの見分け方と対処法
犬が急に落ち着きがなくなる原因(痛み・ストレス・発情・病気)を10個解説。危険なサインの見分け方、すぐにできる対処法、動物病院に行くべきタイミングを紹介します。

「さっきまで普通だったのに、急にウロウロして落ち着かない」「何度も立ったり座ったりを繰り返している」
愛犬がいつもと違う様子で落ち着きがなくなると、飼い主さんとしてはとても心配になりますよね。犬が急にそわそわする行動の背景には、一時的なストレスから命に関わる緊急事態まで、さまざまな原因が考えられます。
私自身、ある日突然愛犬が部屋中をウロウロし始め、何度も伏せては立ち上がることを繰り返したことがありました。「おかしい」と感じてすぐに病院に連れて行ったところ、膀胱炎が見つかりました。犬は言葉で体調不良を伝えられないからこそ、行動の変化を見逃さないことが重要です。
この記事では、犬が急に落ち着きがなくなる10の原因と、緊急性の高い危険なサインの見分け方、そして原因別の具体的な対処法をお伝えします。愛犬の「いつもと違う」に気づけるよう、ぜひ参考にしてください。
犬が急に落ち着きがなくなる10の原因

犬が突然そわそわし始める原因を、緊急度の高いものから順にご紹介します。
原因1:痛みや体の不調【緊急度:高】
犬が急に落ち着きがなくなる原因として、最も注意すべきなのが痛みです。犬は本能的に痛みを隠す動物ですが、我慢できないほどの痛みがあると、落ち着きのない行動として現れます。
痛みを疑うサイン
- 同じ場所でくるくる回る
- 何度も座っては立ち上がる
- 特定の体の部位を気にして舐める・噛む
- 背中を丸めている、震えている
- 触ろうとすると唸る・噛もうとする
- 食欲の低下
痛みの原因として考えられる病気
- 関節炎・椎間板ヘルニア
- 膀胱炎・尿路結石
- 腹痛(膵炎・腸閉塞など)
- 骨折・捻挫 - 歯の痛み
原因2:胃拡張・胃捻転症候群【緊急度:最高】
大型犬に多い命に関わる緊急疾患です。胃がガスで膨らみ、さらにねじれてしまう状態で、数時間で死に至ることがあります。
胃捻転を疑うサイン
- 急激な落ち着きのなさ
- お腹が膨れてきている
- 吐こうとしても吐けない(空嘔吐)
- よだれが大量に出る
- ぐったりしてきている
- 呼吸が荒い
該当する場合は一刻も早く動物病院へ連絡してください。 食後すぐの激しい運動が引き金になることが多いです。
原因3:てんかん・発作の前兆【緊急度:高】
てんかん発作の前兆(プレイクタル期)として、落ち着きのない行動が現れることがあります。
てんかんの前兆として見られる行動
- そわそわとウロウロする
- 飼い主にまとわりつく
- よだれが増える
- 一点を見つめる
- 隠れようとする
その後、全身のけいれん、意識の喪失、失禁などの本発作に移行する場合があります。発作の様子を動画で記録しておくと、獣医師の診断に役立ちます。
原因4:分離不安・ストレス【緊急度:中】
精神的なストレスや不安が原因で、落ち着きがなくなるケースも非常に多いです。
ストレスの原因例
- 飼い主の外出に対する分離不安
- 引っ越しや家族構成の変化
- 雷・花火・工事などの大きな音
- 来客や見知らぬ人・動物の存在
- 生活リズムの大きな変化
ストレスによる落ち着きのなさの特徴
- パンティング(ハァハァと荒い呼吸)
- あくびを繰り返す
- 尻尾を下げている
- 体を小さく縮めている
- 耳を後ろに伏せている
原因5:認知機能不全症候群(認知症)【緊急度:中】
高齢犬(一般的に11歳以上)で夜間を中心に落ち着きがなくなる場合、認知症の可能性があります。
認知症の特徴的な行動
- 夜中に徘徊する(昼夜逆転)
- 同じ場所をグルグル回り続ける
- 壁の前で立ち尽くす
- 名前を呼んでも反応しない
- 以前できていたことができなくなる(トイレの失敗など)
- 飼い主を認識できないことがある
認知症は完治が難しい病気ですが、サプリメント(DHA・EPA・抗酸化物質など)や環境の工夫で進行を遅らせることが可能です。
原因6:発情期(ヒート)【緊急度:低〜中】
未避妊のメス犬が発情期を迎えると、ホルモンバランスの変化により落ち着きがなくなることがあります。
オス犬の場合も、近くに発情中のメス犬がいると興奮して落ち着きがなくなることがあります。
原因7:消化器系の不調(腹痛・下痢・便秘)【緊急度:中】
お腹の不調は、犬の落ち着きのなさの原因として非常に多いものです。
- 腹痛のある犬は「祈りのポーズ」(前足を伸ばして上体を低くし、お尻を高く上げる姿勢)をとることがある
- 便秘で排便したいのにできない場合、ウロウロと落ち着かなくなる
- 下痢の前兆として、そわそわする行動が見られることがある
原因8:暑さ・寒さなどの環境要因【緊急度:低〜中】
犬は体温調節が人間ほど上手ではないため、室温の変化に敏感に反応します。
- 暑い場合:パンティングが激しくなり、涼しい場所を探してウロウロする
- 寒い場合:体を小さく丸めたり、暖かい場所を求めて移動する
- 湿度が高い場合:不快感から落ち着きがなくなる
特に短頭種(パグ、フレンチブルドッグなど)は熱中症のリスクが高いため、夏場の温度管理には細心の注意が必要です。
原因9:排泄を我慢している【緊急度:低】
トイレに行きたいのに行けない状況の場合、犬は落ち着きなくウロウロします。
- ドアの前で待っている
- トイレシートの近くを行ったり来たりする
- 飼い主の顔を見つめてくる
- クンクンと鳴く
これは比較的わかりやすいサインですが、排尿を何度も我慢させることは膀胱炎のリスクを高めるため、早めにトイレに連れて行ってあげましょう。
原因10:異物の誤飲【緊急度:高】
おもちゃの破片、靴下、小石などを誤って飲み込んでしまった場合、消化管の違和感から落ち着きがなくなります。
誤飲を疑うサイン
- 急に落ち着きがなくなり、嘔吐する
- お腹を気にして丸まる
- 食欲がなくなる
- 便が出ない
- 周囲のおもちゃや物がなくなっている
誤飲が疑われる場合は、すぐに動物病院に連絡してください。自己判断で吐かせようとすると危険な場合があります。
緊急度別|犬の落ち着きがないときの対処フローチャート
愛犬が急に落ち着きがなくなったとき、まず以下の順番で確認してください。
STEP1:緊急サインのチェック(今すぐ病院へ)
以下の症状が一つでもあれば、すぐに動物病院へ連絡してください。
- お腹が異常に膨れている
- 吐こうとしても吐けない
- 全身のけいれん・意識の喪失
- 呼吸が極端に荒い・止まりそう
- ぐったりして立てない
- 大量の出血
- 異物を飲み込んだ可能性がある
STEP2:痛みの有無を確認(当日中に受診推奨)
- 体を触ると痛がる部分がある
- 背中を丸めている・震えている
- 食欲がない
- 祈りのポーズをとっている
- 排尿・排便時に鳴く
これらの症状がある場合は、当日中に獣医師の診察を受けることをおすすめします。
STEP3:環境・ストレス要因の確認(自宅で対処可能)
緊急サインや痛みが見られない場合は、以下を確認してみてください。
- 室温は適切か(犬にとっての適温は20〜25℃)
- トイレに行きたがっていないか
- 大きな音や見慣れないものはないか
- 散歩に行く時間ではないか
- 食事の時間ではないか
環境要因が原因であれば、それを取り除くことで落ち着きを取り戻すことが多いです。
STEP4:様子を見る(48時間以内に改善しなければ受診)
上記のいずれにも該当しない場合は、落ち着いた環境で様子を見ましょう。ただし、48時間以上落ち着きのない状態が続く場合は、獣医師に相談することをおすすめします。
原因別の具体的な対処法

原因が見えてきたら、それに合った対処をしてあげることが大切です。ここでは原因別の具体的な対応方法をご紹介しますので、愛犬の状況に合わせて参考にしてくださいね。
痛み・病気が原因の場合
- 無理に触ったり動かしたりしない
- 安静にできる環境を整える
- できるだけ早く動物病院を受診する
- 症状の経過を時系列でメモしておく(獣医師に伝えるため)
- 可能であれば症状を動画で記録する
ストレス・不安が原因の場合
- 落ち着ける場所を用意する:クレートにブランケットをかけて暗くし、安心できる空間を作る
- 飼い主が冷静でいる:飼い主が慌てると犬の不安がさらに増す
- 音の刺激を減らす:雷や花火が原因の場合はカーテンを閉め、テレビやラジオの音で外の音を紛らわす
- アダプティル(犬用フェロモン拡散器)の使用:犬を落ち着かせるフェロモン製品
- 分離不安の場合:行動療法の専門家(獣医行動学認定医やドッグトレーナー)に相談
認知症が原因の場合
- 生活リズムを一定に保つ(食事・散歩の時間を固定)
- 適度な運動と脳への刺激(知育玩具・ノーズワーク)を日課にする
- 夜間の徘徊対策としてサークルで安全な範囲を区切る
- DHA・EPA・抗酸化物質を含むサプリメントの活用
- 獣医師と相談の上、必要に応じて投薬治療を検討
発情期が原因の場合
- 避妊・去勢手術について獣医師に相談する
- 発情期間中はストレスを軽減する環境を整える
- オス犬との接触を避ける
- 散歩のコースや時間帯を調整する
犬が落ち着きがないときにやってはいけないこと

愛犬が落ち着かないとき、ついやってしまいがちなNG行動があります。良かれと思ってしたことが逆効果にならないよう、事前に確認しておきましょう。
1. 大声で叱る
落ち着きがない犬を叱ると、不安やストレスがさらに増し、行動が悪化する可能性があります。犬は「なぜ叱られたか」を理解できないため、逆効果になることがほとんどです。
2. 無理に抱きしめる・拘束する
不安な犬を無理に抱きしめたり、動きを制限したりすると、パニックを起こして咬みつくことがあります。特に痛みが原因の場合は危険です。
3. 様子を見すぎる
「そのうち落ち着くだろう」と長期間様子を見続けることで、治療の機会を逃してしまうケースがあります。緊急サインが見られなくても、2日以上続く場合は獣医師に相談してください。
4. 自己判断で薬を与える
人間用の鎮痛剤や精神安定剤を犬に与えるのは極めて危険です。犬に使用できない成分が含まれていることが多く、中毒症状を起こす恐れがあります。
犬が落ち着きがない時のよくある質問(FAQ)
犬の落ち着きのなさについて、飼い主さんからよくいただく質問をまとめました。夜間だけの症状や犬種ごとの違いなど、気になるポイントをチェックしてみてください。
Q1. 犬が夜中だけ落ち着きがなくなるのはなぜですか?
夜間に限って落ち着きがなくなる場合は、認知症(特に高齢犬)、分離不安、体の痛み(夜間に悪化しやすい関節炎など)、排泄の我慢などが考えられます。高齢犬の場合は認知機能不全症候群の初期症状である可能性が高いため、早めに獣医師に相談することをおすすめします。
Q2. 犬が落ち着きがなく、ハァハァと荒い呼吸をしています。大丈夫ですか?
パンティング(ハァハァとした呼吸)と落ち着きのなさが同時に見られる場合は、痛み・ストレス・発熱・熱中症・心臓疾患などの可能性があります。特に暑い環境でぐったりしている場合は熱中症の可能性が高く、緊急事態です。涼しい場所に移動させ、体を冷やしながらすぐに動物病院に連絡してください。
Q3. 散歩から帰ってきてから急に落ち着きがなくなりました。何が原因ですか?
散歩後に落ち着きがなくなる場合は、散歩中の怪我(足裏のケガ・関節の痛み)、散歩中に何かを誤飲した、虫に刺された、他の犬とのトラブルによるストレスなどが考えられます。足裏や体を確認し、異常があれば獣医師に相談してください。
Q4. 落ち着きのない犬に精神安定剤を使うことはありますか?
はい、獣医師の判断で抗不安薬や精神安定剤が処方されることがあります。分離不安やてんかん、認知症などの診断がついた場合に、行動療法と併せて投薬治療が行われることがあります。ただし、必ず獣医師の処方のもとで使用してください。市販のサプリメント(L-テアニン・GABA配合など)は、比較的穏やかな効果で安全性が高いとされています。
Q5. 犬種によって落ち着きのなさの原因に違いはありますか?
犬種による傾向はあります。例えば、ボーダーコリーやジャックラッセルテリアなどの活動量の多い犬種は運動不足でそわそわしやすく、チワワやトイプードルなどの小型犬は不安やストレスに敏感です。また、グレートデンやドーベルマンなどの大型犬は胃捻転のリスクが高いため、食後の落ち着きのなさには特に注意が必要です。犬種の特性を理解した上で、行動の変化を観察しましょう。
まとめ
犬が急に落ち着きがなくなったとき、最も重要なのは「いつもとの違い」に気づくことです。日頃から愛犬の普段の行動パターンを知っておくことが、異常の早期発見につながります。
愛犬の「いつもと違う」というサインを見逃さないこと。それが飼い主さんにできることです。
著者
DogLife編集部



