パグと夏の旅行は大丈夫?暑さ対策と避暑地選び・熱中症の注意点
パグと夏に旅行しても大丈夫?短頭種のパグが暑さに弱い理由から、車移動や滞在中の熱中症対策、必須の持ち物、軽井沢・那須・富士五湖など涼しい避暑地の選び方まで解説します。夏の旅行計画の前にチェックしてください。

「パグと夏に旅行しても大丈夫なの?」。暑さに弱いと言われるパグの飼い主さんにとって、夏の旅行は特に悩ましいテーマですよね。パグは短頭種(鼻ぺちゃ犬)で、呼吸による体温調節が苦手です。夏の旅行は計画を慎重に組まないと、熱中症のリスクが上がってしまいます。
結論から言うと、適切な対策をすればパグとの夏旅行は楽しめます。ただし、行き先と時間帯の選び方が命に関わるほど重要です。
標高1,000m前後の軽井沢のような高原エリアなら、夏でも朝夕は20℃前後まで気温が下がり、パグと散歩を楽しめる時間帯があります。一方、平地の夏旅行は暑さ対策をしても限界があるので、行き先選びが旅行成功の最大の要素になります。
この記事では、パグが暑さに弱い理由から、夏旅行の具体的な対策、おすすめの避暑地まで詳しく解説します。
パグが暑さに弱い理由

パグの暑さ対策を考える前に、まず「なぜパグは暑さに弱いのか」を知っておきましょう。体の構造がわかると、効果的な対策が見えてきます。
短頭種の気道構造
パグは他の短頭種と同じく、鼻の穴が狭く、のどの奥の軟口蓋が長い犬種です。犬は主にパンティング(ハァハァ呼吸)で体温を下げますが、パグはこの仕組みが効率よく働きません。
英国の約90万頭の犬を対象にした2020年の研究では、短頭種は中頭種と比べて熱中症になるリスクが約2倍と報告されています。同じ気温でも、他の犬種より暑さの影響を受けやすい犬種と考えてください。短頭種気道症候群(BOAS)と呼ばれる呼吸器のトラブルを抱えているパグも多く、その場合はさらに注意が必要です。
体型的な要因
パグは小型犬ながらがっしりした体型で、脂肪がつきやすい犬種です。脂肪は断熱材のような役割をするため、体の中の熱が逃げにくくなります。
犬種標準(FCI)ではパグの理想体重は6.3〜8.1kgとされていますが、実際にはこれを超えている子も少なくありません。肥満は犬の熱中症の危険因子のひとつとされているので、夏旅行の前に体重が気になるようなら、食事量と運動量を見直しておきましょう。
暑さの危険ライン
気温 | パグへの影響 |
|---|---|
20℃以下 | 快適。散歩や外遊びもOK |
20〜25℃ | やや注意。日陰で休憩を取りながら |
25〜28℃ | 注意。散歩は早朝・夕方のみ |
28℃以上 | 危険。外出は極力控える |
30℃以上 | 非常に危険。屋内でもエアコン必須 |
この表は犬一般の暑さ対策でよく使われる目安に、短頭種のパグ向けに余裕を持たせたものです。参考までに、気象庁の平年値では東京の7〜8月の日最高気温は平均で30℃前後、8月の月平均気温は約27℃です。つまり関東平野部の夏の日中は、パグにとってはほぼ毎日が危険帯にあたります。
湿度が高いと体感はさらに厳しくなるため、湿度70%以上の日は気温にかかわらず警戒してください。環境省が公開している暑さ指数(WBGT)は人向けの基準ですが、「厳重警戒」にあたる28以上の日は犬の屋外活動も最小限にするのがおすすめです。
飛行機での移動を考えている場合は、パグは飛行機に乗れる?搭乗制限と注意点も必ず確認してください。
パグとの夏旅行で必須の暑さ対策

夏にパグと旅行する場合、以下の対策は「あったらいいな」ではなく「命を守るための必須事項」です。移動中と滞在中に分けて確認しておきましょう。
移動中の暑さ対策
移動中の暑さへの対策は以下のような方法があります。
- 車のエアコンは出発前からON。犬が乗る前に車内を冷やしておく
- 後部座席にも風が届いているか確認。クレートの中は特に温度が上がりやすい
- 車内温度計を設置して、犬がいるスペースの温度をモニタリング
- 日よけのサンシェードを窓に装着
- 1時間ごとに休憩。エアコンの効いた施設内で水分補給
- 車内に犬を残さない(短時間でも厳禁)。夏の車内は数分で危険な温度に
JAF(日本自動車連盟)のテストでは、外気温35℃の日にエンジンを止めた車内は、約15分で熱中症指数が「危険」レベルに達し、30分後には車内温度が約45℃まで上がりました。エアコンをつけたままエンジンをかけておく方法も、エンジン停止やトラブルのリスクが残るので安心はできません。コンビニやガソリンスタンド、トイレ休憩の際は、家族で交代するか、犬と一緒に降りてください。
滞在中の暑さ対策
滞在中の暑さへの対策は以下のような方法があります。
- 散歩は早朝または日没後。アスファルトの温度にも注意
- 日中は冷房の効いた室内で過ごす
- こまめな水分補給。常に新鮮な水を用意
- 冷却グッズをフル活用(後述のチェックリスト参照)
- 興奮させすぎない。遊びすぎは体温上昇の原因に
夏のアスファルトは、日中に表面温度が50〜60℃に達することがあります。手のひらを地面に5秒間つけていられないなら、犬には熱すぎる温度です。散歩は日の出前後の早朝か、地面の熱が冷めた夜にしてくださいね。
夏旅行の必須持ち物
アイテム | 用途・効果 |
|---|---|
クールベスト | 水に浸して着せるだけで体温を下げる |
冷却マット(ジェルタイプ) | 車内・宿で寝転がるだけでひんやり |
携帯扇風機 | 外出先でのスポット冷却 |
保冷剤+タオル | 首元や脇の下を冷やす |
犬用経口補水液 | 脱水防止。水分と電解質を一緒に補給できる |
犬用靴(肉球保護) | アスファルトのやけど防止 |
スプレーボトル(水入り) | 体にミストをかけて気化熱で冷却 |
クールベストは水に濡らして着せるタイプが主流で、気化熱で体を冷やしてくれます。犬用の経口補水液は粉末タイプなら荷物にならず、旅先で水に溶かすだけで使えますよ。犬の暑さ対策の基本は、犬の暑さ対策はどうしたらいい?室内・屋外・お留守番時は?でも詳しく解説しています。
旅行以外の普段の暑さ対策は、犬の暑さ対策(室内・屋外・お留守番時)で詳しく解説しています。
パグにおすすめの夏の避暑地

パグと夏に旅行するなら、標高が低い行き先は熱中症のリスクが跳ね上がります。気温は標高が100m上がるごとにおよそ0.6℃下がるので、標高500m以上のエリアなら平地より3℃前後は涼しくなります。関東から行きやすい避暑地を4つ紹介します。
軽井沢(標高約1,000m)
おすすめポイント
気象庁の平年値では、軽井沢の8月の月平均気温は約21℃、日最高気温の平均でも約26℃です。東京より5℃以上涼しく、パグとの旅行で最も人気の避暑地です。犬連れに優しいカフェやレストランも多く、ペット可の宿泊施設も充実しています。
- 旧軽井沢銀座通りにはテラス席などでペット同伴OKのお店が多い
- ドッグラン付きの宿が豊富
- 木陰の散歩道が多く、涼しく散歩できる
雲場池や塩沢湖(軽井沢タリアセン)周辺の遊歩道は木陰が多く、早朝なら夏でも快適に散歩できます。ただし日中は軽井沢でも25℃を超える日があるので、真昼の散歩は避けてくださいね。
那須高原(標高約500〜1,000m)
犬連れに優しいエリアとして有名な那須高原。犬同伴OKのカフェやレストラン、観光施設が充実しています。
「那須どうぶつ王国」は一部エリアで犬を連れて入園できますし、テラス席なら同伴できる飲食店も点在します(同伴条件は各施設の公式サイトで確認してください)。那須湯本温泉周辺は標高が800〜900m前後あり、夜は涼しく過ごせます。那須ハイランドパークのオフィシャルホテル「TOWAピュアコテージ」には犬と泊まれる棟があり、敷地内にドッグランもあります。
富士五湖エリア(河口湖・山中湖、標高約830〜980m)
富士山のふもとで涼しく過ごせるエリア。犬と一緒に入れる施設も増えています。湖畔の散歩は夏でも比較的涼しくて快適です。
河口湖北岸の大石公園や、隣接する「富士大石ハナテラス」など、リードをつければ犬連れで楽しめるスポットが点在しています(店内への同伴可否は各店舗で確認してください)。山中湖畔には犬連れ専用の宿「ドッグリゾートWoof(ワフ)」があり、屋内ドッグランを備えているので、猛暑日や雨の日でも犬を運動させられます。富士山を眺めながらの夏旅行は、パグにも飼い主にも忘れられない時間になりますよ。
箱根(標高約550〜700m)
温泉を楽しみながら涼しく過ごせる箱根。ロープウェイや遊覧船など、パグと一緒に楽しめるアクティビティもあります。ただし箱根湯本など標高が低いエリアは夏でも暑いので、宿の場所を確認してください。
仙石原や強羅の宿は比較的涼しく、犬連れ可の旅館やホテルも揃っています。箱根登山鉄道は全身が入るキャリーに入れれば犬を連れて乗車できるため、車を使わない旅行も実現できます。芦ノ湖の遊覧船「箱根海賊船」も、キャリーやバッグに入れればペット同伴で乗船できます(利用条件は公式サイトで最新情報を確認してください)。
夏旅行中の熱中症対応マニュアル

万が一、旅行中にパグが熱中症の症状を示した場合の対処法です。事前に頭に入れておいてください。
熱中症の症状チェック
初期症状(すぐに対処)
以下のような症状に気づいたら早めに対処しましょう。
- 激しいパンティングが止まらない
- よだれが大量に出る
- 落ち着きがない
中度(病院に連絡)
以下のような症状がある場合は早めに動物病院へ連絡し、獣医師に相談することが大切です。
- 歯茎や舌が赤黒い
- ふらつく
- 嘔吐・下痢
重度(緊急搬送)
以下のような症状が見られる場合は、速やかに動物病院を受診しましょう。
- 意識がもうろうとしている
- けいれん
- 歯茎が白い
熱中症は短時間で重症化します。初期症状の段階で即対応してください。犬の平熱は38℃台ですが、体温が41℃を超えると臓器へのダメージが急速に進み、命に関わります。携帯用の犬用体温計を旅行に持参すると、体温の確認がスムーズです。
応急処置の手順
すぐに涼しい場所(冷房の効いた室内や車内)に移動
体全体に水をかけ、扇風機やうちわで風を当てる(気化熱で効率よく冷える)
首・脇の下・太ももの付け根を保冷剤で冷やす
水を少量ずつ飲ませる(意識がはっきりしている場合のみ。無理に飲ませない)
動物病院に電話し、指示を仰ぐ
冷やしながら病院へ向かうのが基本です。体温が下がりすぎるのを防ぐため、震え始めたら冷却をやめてください。応急処置で落ち着いたように見えても、内臓へのダメージが遅れて出ることがあるので、必ず獣医師の診察を受けましょう。
旅先の動物病院は出発前に最低3件リストアップしておきましょう。夜間や休日に救急対応している動物病院の連絡先も控えておくと安心です。
パグと夏旅行を楽しむための宿選びのポイント

パグの夏旅行を成功させるには、宿選びでも暑さ対策の視点が欠かせません。標高、室内設備、ドッグラン環境をチェックして、パグが快適に過ごせる宿を選びましょう。
標高と冷房性能で選ぶ
夏のパグ旅行で最優先したいのが、目的地の標高と宿の冷房性能です。標高500m以上のエリアなら平地より3℃前後は涼しく、夜間は20℃前後まで下がる場所も多いため、パグへの負担が大きく違います。
宿は客室内のエアコンを個別に調整できて、温度を自由に下げられる設備があると安心です。エアコンの吹き出し口が犬の寝床から離れすぎていないかも、事前に確認してください。古い旅館や民宿は冷房が弱いことがあるので、夏のパグ旅行には不向きな場合があります。予約前に「客室に個別エアコンがあるか」を問い合わせておきましょう。
室内ドッグランや日陰の屋外スペース
パグは夏場の屋外での散歩や運動が制限されがちです。そこで重宝するのが、室内ドッグランや日陰のあるテラスです。
屋根付きドッグランや、夕方以降も使える照明付きの屋外ドッグランがある宿なら、暑さのピークを避けて運動させられます。運動不足の解消とストレス発散の両面で、室内アクティビティが充実した宿は夏旅行の満足度を上げてくれますよ。
部屋食対応で外出機会を減らす
夏は宿の外を歩く機会そのものを減らすのが、パグの体調管理に直結します。部屋食対応の宿なら、食事のために屋外を歩く必要がなく、パグも飼い主もエアコンの効いた部屋で食事を楽しめます。
特に日中の気温が30℃を超える日は、館内で完結できる宿のほうが安心です。事前に部屋食プランの有無を確認し、夏旅行のメインプランとして組み込んでください。
宿選び以外の外出時の注意点は、愛犬との夏のお出かけ対策ガイドも参考にしてください。
パグ旅行で活用したい移動の工夫

パグとの旅行では、同じ目的地でも移動経路や時間帯の選び方で犬の負担が大きく変わります。移動時間そのものを短くする工夫で、車内の暑さや呼吸への影響を抑えられます。移動時間の目安は犬と旅行するときに移動は何時間が限界?犬種・年齢別の目安とはも参考にしてください。
出発時間を早朝に設定する
夏のパグ旅行では、出発時間を朝5〜6時に設定するのがおすすめです。日が昇る前なら気温が低く、車内のエアコンへの負荷も少なく済みます。
早朝出発なら目的地にも午前中に着けるので、チェックインまでの待ち時間を涼しい場所で過ごせます。逆に午後出発は車内温度が上がりやすく、渋滞で移動時間が延びるとパグにとって過酷な環境になります。出発を1〜2時間早めるだけで負担が大きく変わるので、家族の予定よりも犬の体調を優先したスケジュールを組みましょう。前日のうちに準備を済ませて、当日は最低限の作業で出発できる状態にしておくと楽ですよ。
高速道路のSA・PAの使い方
長距離移動では、SAやPAでこまめに休憩を取りましょう。目安として1時間に1回は5〜10分の休憩を入れます。
エアコンの効いた施設内で涼ませる、ドッグラン付きSAなら軽く運動させて気分転換する、といった使い方が有効です。SAの駐車場は夏場かなり高温になっているので、犬を歩かせる前に手で地面の温度を確認しましょう。芝生エリアがあれば、そちらを歩かせると肉球への負担が減ります。ドッグラン付きのSA・PAは犬連れドライブに便利!高速道路SA・PAのドッグラン情報まとめで路線別に紹介しています。
経路の標高変化を意識する
平地ばかりの経路より、早めに標高が上がる経路を選ぶとパグへの負担が減ります。例えば東京から軽井沢に向かう場合、関越道から上信越道に入るルートは群馬県に入ってから標高が徐々に上がり、後半は涼しいドライブになります。
同様に中央道で富士五湖方面に向かう経路も、後半は標高が高くなり気温が下がります。経路選びの段階で標高変化を意識すると、パグが涼しい環境で目的地に到着できます。地図アプリの地形表示や、途中のSAの標高を目安にしてみてください。
短頭種は搭乗自体が難しいケースもあるため、飛行機に乗れない犬種と代替手段も確認しておきましょう。
パグの夏旅行に関するよくある質問(FAQ)

パグと夏に海に行っても大丈夫ですか?
砂浜は照り返しが強く、気温以上に体感温度が高くなるため、パグにはおすすめしません。晴れた日の砂浜は表面温度がアスファルト並みに上がり、肉球をやけどするリスクも高くなります。どうしても行く場合は、早朝か夕方以降の涼しい時間帯に短時間だけ滞在し、日よけテントと冷却グッズを必ず持参してください。パグは泳ぎが得意ではないので、水に入れるならライフジャケットを着用させましょう。
エアコンの効いた車なら夏でも長距離移動は大丈夫ですか?
エアコンが効いていれば基本的には大丈夫ですが、後部座席のクレート内の温度には要注意です。エアコンの風が届きにくい場所では温度が上がります。車内温度計を設置し、1時間ごとの休憩を必ず取りましょう。クレートはエアコンの送風が届く位置に置き、サンシェードで直射日光を遮ると効果的です。3時間を超える長距離移動では、中間地点のSAやドッグランで30分以上の休憩を取り、車内の熱を完全に逃がしてから次の区間を走ってくださいね。
パグは飛行機で旅行できますか?
多くの航空会社では、夏季を中心にパグなどの短頭種の預かりを制限しています。詳しくはパグは飛行機に乗れる?短頭種の搭乗制限や危険な5つの理由、対策を解説にまとめているので、遠方への旅行を検討している方はあわせて確認してください。
夏以外の季節でもパグの暑さ対策は必要ですか?
5月と9〜10月初旬は、日によっては夏並みの気温になります。気温25℃以上の日は季節にかかわらず暑さ対策を行ってください。近年はゴールデンウィーク頃に30℃を超える日もありますし、9月後半でも残暑が厳しい年があります。長期予報を確認しながら旅行を計画してください。春や秋のベストシーズンでも、暑さ対策グッズは念のため持参しておくと当日の調整がきくようになります。
まとめ
パグとの夏旅行は、適切な対策をすれば十分に楽しめます。パグの体の特性を理解した上で、計画を慎重に組み立ててください。
- パグの暑さ危険ラインは気温25℃から。28℃以上は外出を控える
- 夏旅行の行き先は標高500m以上の避暑地を選ぶ(軽井沢・那須・富士五湖・箱根)
- クールベスト・冷却マット・経口補水液は必須アイテム
- 散歩は早朝か日没後のみ。日中は冷房の効いた室内で過ごす
- 熱中症の症状と応急処置を事前に把握しておく
持ち物の準備については愛犬とのおでかけで必要な持ち物は?選ぶポイントやシーン別リストを紹介!もあわせてチェックしてください。しっかり準備すれば、夏でも涼しい高原を嬉しそうに歩くパグの姿に出会えますよ。
著者
DogLife編集部
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