17 May.
撫でられるのが嫌いな犬の心理と対処法!正しい触り方と慣らし方
撫でられるのが嫌いな犬の理由・嫌がるサイン・正しい触り方・慣らし方を徹底解説。愛犬との信頼関係を深めるスキンシップのコツをご紹介します。

「せっかく愛犬を撫でようとしたのに、避けられてしまった…」「うちの子、触ろうとすると唸る…」そんな経験はありませんか?
撫でられるのが嫌いな犬を飼っていると、「嫌われているのかな?」と悲しくなりますよね。
でも実は、犬が撫でられるのを嫌がるのには、ちゃんとした理由があるんです。そしてその理由を理解して正しく対応すれば、少しずつスキンシップを受け入れてくれるようになります。
この記事では、撫でられるのが嫌いな犬の心理、嫌がっているときのサイン、正しい触り方、そして時間をかけて慣らしていく方法まで詳しくお伝えします。
撫でられるのが嫌いな犬の5つの心理

犬が撫でられるのを嫌がる理由はさまざまです。まずは愛犬がどのタイプに当てはまるのか、確認してみましょう。
心理1:社会化不足で人に慣れていない
子犬の社会化期(生後3〜16週齢ごろ)に人との触れ合いが少なかった犬は、人に触られること自体に慣れていないことがあります。特に保護犬やブリーダーの元で人との接触が少なかった犬に多いケースです。
この場合、犬は撫でられることが「嫌い」なのではなく、「何をされるかわからなくて怖い」のです。経験がないことへの不安が大きいんですね。
心理2:過去のトラウマ・嫌な経験がある
以前の飼い主に叩かれた経験がある、動物病院で痛い処置を受けた、子供に乱暴に触られた…など、過去の嫌な経験がトラウマになっている場合があります。
特に頭の上から手が伸びてくる動作は、犬にとって「叩かれる」動作と似ているため、過去に叩かれた経験のある犬は強く反応します。
心理3:体のどこかに痛みがある
これまで撫でられるのが好きだった犬が急に嫌がるようになった場合、体のどこかに痛みや不調がある可能性があります。
関節痛、皮膚炎、腫瘍、歯の痛みなど、触れると痛む場所があると、犬は防衛本能から触られることを拒否します。この場合は、できるだけ早く動物病院を受診してください。
心理4:触り方やタイミングが犬にとって不快
・頭の上からいきなり手を伸ばす
・足先やしっぽの先を触る
・お腹を無理に見せようとする
・背後から突然触る
犬には「触られると嬉しい場所」と「触られると嫌な場所」があります。また、リラックスしているときに突然触られたり、興奮しているときに押さえつけるように触られたりすると、不快に感じます。
心理5:もともと独立心が強い性格
犬種や個体によっては、もともとベタベタされるのが苦手な子もいます。柴犬や日本犬系の犬種は、洋犬と比べて独立心が強く、スキンシップを好まない傾向があると言われています。
これは「嫌い」というよりも「自分のパーソナルスペースを大切にしたい」という性格的な特徴です。無理に変えようとするのではなく、その子の個性として尊重することも大切です。
犬の「触らないで」のサイン

犬は言葉を話せませんが、体全体で気持ちを表現しています。以下のサインが見られたら、「今は触らないでほしい」というメッセージです。
少し触らないでほしいときのサイン
・顔をそむける・目をそらす(「やめてほしい」の意思表示)
・あくびをする(眠いのではなく、ストレスのあくび)
・口をペロペロ舐める(カーミングシグナル)
・体をこわばらせる(リラックスしていない証拠)
・耳を後ろに倒す(不安や緊張を感じている
これらのサインは見落とされがちですが、犬が軽い不快感を感じているときに出るものです。
かなり触らないでほしいときのサイン
・体をのけぞらせる・後ずさりする
・低い声で唸る
・歯を見せる・口角を上げる
・噛みつこうとする(スナップ)
・逃げようとする
「やめてほしい」の意思表示をしても触るのをやめてもらえない場合には、以下のようなサインが出てきます。
唸りや歯を見せる行為は「警告」です。このサインが出たら、すぐに手を引いてください。叱るのではなく、「触りすぎた」と理解して距離を取ることが大切です。
ここで大切なことは、犬の「No」を尊重すること。唸りを叱ってやめさせると、犬は警告なしにいきなり噛むようになってしまうこともあります。
撫でられるのが嫌いな犬の正しい触り方

では、撫でられるのが嫌いな犬をどうしても撫でたいときはどうしたらいいのでしょうか。詳しく解説します。
上からではなく、下・横から撫でる
・犬の正面ではなく、横から手を伸ばす
・まず手の甲を見せて匂いを嗅がせる(犬があなたを確認できるように)
・犬が自分から近づいてきたら、あごの下や胸を優しく触る
・頭の上からいきなり手を伸ばさない
犬にとって頭の上から手が降りてくる動作は、圧迫感や恐怖を感じやすいものです。犬に触るときは、以下のルールを守りましょう。
犬が触られて嬉しい場所・嫌な場所
触られて嬉しい場所
- あごの下
- 胸
- 首の横
- 耳の付け根
- 腰の付け根あたり
触られるのが苦手な場所
- 頭のてっぺん
- 足先(肉球まわり)
- しっぽ
- お腹(信頼関係ができてから)
- マズル(口まわり)
「同意テスト」で犬の気持ちを確認する
最近注目されているのが「同意テスト(Consent Test)」という考え方です。やり方はとてもシンプル。
犬が触られてもいい場所(胸や首の横)を2〜3秒だけ優しく撫でる
手を止めて離す
犬の反応を観察する
このとき、犬が自分から体を寄せてきたり、もっと撫でてほしそうに手に鼻先を押し付けてきたりしたら「もっと撫でていいよ」のサイン。逆に、離れていったり無関心だったりすれば「もう十分」の合図です。
触られるのが苦手な犬を慣らすトレーニング方法

ここからは、時間をかけて「触られること=良いこと」と犬に学んでもらうためのトレーニング方法をご紹介します。
まずは「手=良いこと」と認識してもらう
触ることよりも先に、あなたの手が犬にとって「良いもの」になることが重要です。
・手からおやつを与える
・手でフードボウルにごはんを入れてあげる
・おやつを手に持って、犬が自分から近づいてくるのを待つ
これを毎日繰り返すことで、犬は「この人の手からは良いことが起こる」と学びます。
おやつを与えながら少しだけ触る
犬が手に対してリラックスできるようになったら、次のステップです。
・おやつを片手に持つ
・犬がおやつに集中している間に、もう片方の手で肩や背中を1〜2秒だけ軽く触る
・すぐにおやつを与える
・「触られる→おやつがもらえる」を繰り返す
最初は本当に一瞬触るだけでOK。犬が嫌がらなければ、少しずつ触る時間を延ばしていきます。
触れる場所を少しずつ広げる
背中や肩に触られることに慣れてきたら、少しずつ別の場所も触ってみましょう。
・背中 → 首の横 → あごの下 → 耳の付け根 → お腹 → 足
常に犬の反応を観察しながら、嫌がるサインが出たらすぐにやめること。
日常ケアにも応用する
触られることに慣れてきたら、日常のケア(ブラッシング、歯磨き、足拭きなど)にも同じアプローチを使えます。
・ブラシを見せる → おやつ
・ブラシで1回撫でる → おやつ
・少しずつブラッシングの時間を延ばす
この方法なら、動物病院での診察やトリミングでも、犬がパニックになりにくくなります。
犬を撫でるときにやってはいけない3つのNG行動

良かれと思ってやっていることが、実は逆効果になっていることも。具体的に解説します。
無理やり抱きしめる・押さえつける
「慣れさせるために抱っこし続ける」のは絶対に避けてください。
犬は拘束されることで恐怖心が増し、撫でられることへの苦手意識がさらに強くなります。
パニックになって噛まれるリスクもあるため、絶対に避けてくださいね。
嫌がっている犬を追いかける
犬が離れていくのに追いかけて触ろうとするのも、絶対にやらないようにしてください。
犬が距離を取ったら、その意思を尊重しましょう。犬から近づいてくるのを待つのが正解です。
唸る犬を叱りつける
先述のとおり、唸りは犬からの「警告」です。唸ったら「触りすぎ」だったと思って、撫でるのをやめましょう。
唸っている行為自体を叱ってやめさせると、次回からは警告なしにいきなり噛むようになります。
撫でられるのが嫌いな犬に関するよくある質問(FAQ)

Q:撫でられるのが嫌いな犬は、飼い主のことが嫌いなのですか?
A:いいえ、そうとは限りません。触られるのが苦手でも、飼い主のそばにいたがる犬はたくさんいます。
犬にとってのスキンシップは撫でることだけではなく、一緒にいること、見つめ合うこと、散歩を楽しむことも大切なコミュニケーションです。愛犬が好む距離感を見つけてあげましょう。
Q:他の犬や家族には触らせるのに、自分だけ避けられます。なぜですか?
A:触り方に違いがあるかもしれません。声のトーン、手を出す角度、触るスピードなどを観察してみてください。
また、過去にその犬にとって嫌な経験(爪切りを無理にした、大声を出したなど)があった場合、その特定の人を警戒している可能性もあります
Q:子犬のうちから慣らしておくべきでしたか?今からでも間に合いますか?
A:子犬期の社会化は確かに重要ですが、成犬になってからでも慣らすことは可能です。時間はかかりますが、正しい方法で根気よくトレーニングすれば、少しずつ改善できます。
Q:撫でられるのが嫌いな犬でもトリミングに連れて行って大丈夫ですか?
A:事前にトリマーさんに愛犬の性格や苦手なことを伝えておきましょう。触られるのが苦手な犬に対応できる経験豊富なサロンを選ぶことも大切です。自宅で少しずつブラッシングやドライヤーに慣らしてからトリミングに行くと、ストレスを軽減できます。
Q:来客時に犬が触られるのを嫌がります。どう対応すべきですか?
A:来客には「無理に触らないでください」とはっきり伝えましょう。犬が自分から近づいてきたら触ってもらうようにし、犬が離れたい場合に逃げられるスペース(クレートや別室)を用意しておくのがおすすめです。
まとめ
本記事では、撫でられるのが嫌いな犬の心理、嫌がっているときのサイン、正しい触り方、そして時間をかけて慣らしていく方法を解説しました。
撫でられるのが嫌いな犬との暮らしで大切なポイントをまとめます。
・嫌がる理由を理解する(社会化不足・トラウマ・痛み・性格など)
・ストレスサインを見逃さない(顔をそむける・あくび・唸りなど)
・上からではなく、横から・下から触る
・同意テストで犬の気持ちを確認する
・おやつを使って「触られる=良いこと」と認識させる
愛犬の「触らないで」のサインを尊重しつつ、撫でてもらうことは嬉しいことだと思ってもらえるようにトレーニングに取り組んでみてくださいね。
著者
DogLife編集部



