29 March.
犬を太らせたい飼い主必見!痩せすぎの原因と健康的に体重を増やす方法
痩せすぎの犬を健康的に太らせたい方へ。太らない原因の特定方法、食事の工夫・フード選び、病気チェックのポイント、注意点まで詳しく解説します。

「フードをちゃんと食べているのに、なかなか太らない…」 「肋骨が浮いて見えるくらい痩せていて心配」 「獣医さんに太らせてくださいと言われたけど、どうすればいいの?」
愛犬が痩せすぎているのは、太りすぎと同じくらい健康上のリスクがあります。体力や免疫力の低下、病気への抵抗力の低下、寒さへの弱さなど、さまざまな問題につながる可能性があるのです。
しかし、ただ単にフードの量を増やせば良いというものではありません。痩せている原因を正しく把握し、適切な方法で体重を増やしていくことが大切です。間違った方法で太らせようとすると、消化器に負担がかかったり、別の健康問題を引き起こしたりすることもあります。
この記事では、犬が痩せすぎる原因の特定方法から、食事の工夫、フードの選び方、そして注意すべきポイントまで、健康的に愛犬の体重を増やすための情報を解説します。
まずは確認!愛犬は本当に「痩せすぎ」?
体重を増やす前に、そもそも愛犬が本当に痩せすぎなのかを正しく判断することが重要です。犬種によって適正体型は大きく異なります。
BCS(ボディコンディションスコア)で判断する
犬の体型を客観的に評価する方法として、BCS(ボディコンディションスコア)があります。9段階で評価するのが一般的です。
BCS | 体型の状態 | 特徴 |
|---|---|---|
1〜2 | 痩せすぎ | 肋骨、腰骨、背骨が外から見てはっきり分かる。脂肪がほとんどない。ウエストが極端にくびれている |
3 | やや痩せ | 肋骨が薄い脂肪越しに簡単に触れる。上から見るとウエストがはっきり |
4〜5 | 理想的 | 肋骨は軽く触ると感じられる。横から見てお腹が引き締まっている。上から見てウエストが分かる |
6〜7 | やや太め | 肋骨が脂肪に覆われて触れにくい。ウエストが分かりにくい |
8〜9 | 太りすぎ | 肋骨が厚い脂肪に覆われている。ウエストがない。お腹が垂れている |
BCSが1〜3に該当する場合は「痩せすぎ〜やや痩せ」と判断できます。
自宅でできる体型チェック方法
以下の3つのポイントで簡単にチェックできます。
1. 肋骨テスト(横から触る) 犬の脇腹に軽く手を当てて、肋骨を触ってみてください。
- 軽く触っただけで肋骨がゴツゴツ分かる → 痩せすぎの可能性
- 少し圧をかけると肋骨を感じる → 理想的
- かなり押さないと肋骨が分からない → 太りすぎの可能性
2. ウエストチェック(上から見る) 犬を上から見下ろしたとき、肋骨の後ろから腰にかけてのくびれ具合を確認します。
- くびれが極端に深い → 痩せすぎの可能性
- 適度なくびれがある → 理想的
- くびれがない、または膨らんでいる → 太りすぎの可能性
3. お腹のライン(横から見る) 横から見たとき、お腹のラインが胸からお尻に向かって引き上がっているか確認します。
- お腹が極端に引き上がっている → 痩せすぎの可能性
- 適度に引き上がっている → 理想的
- お腹が垂れている → 太りすぎの可能性
犬種別の理想体重の目安
犬種によって理想的な体重は大きく異なります。以下は一般的な目安です。
犬種 | 理想体重の目安 |
|---|---|
チワワ | 1.5〜3kg |
トイプードル | 3〜4kg |
ミニチュア・ダックスフンド | 4〜5kg |
柴犬 | 8〜13kg |
フレンチ・ブルドッグ | 8〜14kg |
ゴールデン・レトリバー | 25〜34kg |
ラブラドール・レトリバー | 25〜36kg |
※同じ犬種でも個体差があるため、あくまで参考値です。
犬が太らない・痩せすぎる5つの原因
健康的に体重を増やすためには、まず「なぜ太らないのか」の原因を特定することが最優先です。
病気・体調不良が隠れている
太らない原因としてまず疑うべきなのが、病気の存在です。以下のような疾患が体重減少の原因になります。
消化器の病気
- 慢性の下痢や嘔吐を伴う腸炎
- 膵外分泌不全(消化酵素の不足)
- 炎症性腸疾患(IBD) - 腸内寄生虫
内分泌疾患
- 甲状腺機能亢進症(犬ではまれだが存在)
- 糖尿病(食べても太らない典型的なパターン)
- アジソン病(副腎皮質機能低下症)
その他
- 歯周病や口腔内の痛みで食事が困難
- 慢性腎臓病
- がん(悪性腫瘍)
- 心臓病
特に、食欲があるのに太らない場合は、消化吸収の問題や糖尿病の可能性があるため、早めの受診をおすすめします。
フードの量や栄養価が不足している
フードの量が適切でなかったり、栄養価が低いフードを与えていたりすると、必要なカロリーが足りずに痩せてしまいます。
- パッケージの給餌量は「目安」であり、活動量の多い犬には不足する場合がある
- シニア用やダイエット用の低カロリーフードを間違えて与えている
- 手作り食で栄養バランスが偏っている
運動量・消費カロリーが多すぎる
活動量が多い犬は、それだけカロリー消費も多くなります。
- ドッグスポーツや長距離の散歩を日常的に行っている
- 庭や室内で一日中走り回っている
- 興奮しやすく、常に動き回っている犬種(ボーダー・コリー、ジャック・ラッセル・テリアなど)
運動量に見合ったカロリーを摂取できていないと、どんどん痩せてしまいます。
ストレス・精神的な問題
ストレスや不安が食欲低下を引き起こし、体重減少につながることがあります。
- 多頭飼いで他の犬に食事を横取りされている
- 環境の変化(引っ越し、家族構成の変化)
- 分離不安で留守番中に食事をしない
- フードボウルの場所が落ち着かない
年齢や犬種による体質
もともと痩せ型の体質を持つ犬種もいます。
- イタリアン・グレーハウンド: スリムな体型が犬種標準
- ウィペット: 筋肉質だが細身
- サルーキ: 脂肪が少なく骨格が目立つのが正常
これらの犬種では、見た目が痩せて見えても実際には健康的な体型であること。犬種標準を確認した上で判断しましょう。
犬を健康的に太らせる食事の工夫
原因を把握した上で、食事面からのアプローチで体重増加を目指しましょう。
フードの量を段階的に増やす
まず試すべきは、現在のフードの給餌量を10〜20%増やすことです。
ただし、いきなり大幅に増やすと消化器に負担がかかり、下痢や嘔吐を引き起こす可能性があります。1週間に5〜10%ずつ、段階的に増やしていくのが安全です。
増量の目安
- 1週目: 現在の量の105〜110%
- 2週目: 現在の量の110〜115%
- 3週目: 現在の量の115〜120%
毎週体重を測定し、増え具合を確認しながら調整してください。
食事の回数を増やす
1回の食事量を増やすのが難しい場合は、食事の回数を増やす方法が効果的です。
- 1日2回 → 1日3〜4回に分ける
- 朝・夕の食事に加えて、昼食や就寝前の軽食を追加
- 1回あたりの量を減らしつつ、トータルの摂取量を増やす
少量を頻回に与えることで、消化器への負担を抑えながらカロリー摂取量を増やすことができます。
高カロリー・高タンパクのトッピング
現在のフードにカロリーの高いトッピングを加えるのも手軽で効果的な方法です。
おすすめのトッピング
- ゆで鶏むね肉・ささみ: 高タンパク・低脂肪で消化も良い
- ゆで卵: 良質なタンパク質と脂質を含む(週2〜3個が目安)
- さつまいも: 炭水化物とビタミンが豊富、犬の嗜好性も高い
- ヤギミルク: カルシウムとビタミンが豊富で消化吸収に優れる
- 無塩のサーモンオイル・亜麻仁油: 良質な脂質を手軽にプラス(小さじ1/2〜1杯をフードにかける)
- カッテージチーズ: 高タンパクで低塩分
トッピングの量はフード全体の10〜20%以内を目安にし、栄養バランスを崩さないよう注意してください。
フードをふやかして嗜好性を上げる
食欲があまりない犬には、フードの食べやすさや香りを工夫することで食いつきが改善することがあります。
- ぬるま湯でふやかす: 香りが立ち、食欲を刺激する
- 犬用スープやだし汁をかける: 鶏ガラやかつおだし(無塩)で風味アップ
- フードを少し温める: 電子レンジで10〜15秒温めると香りが増す
間食・おやつの活用
食事の間に高カロリーのおやつを与えることで、1日のトータル摂取カロリーを増やせます。
- ジャーキー類(無添加のもの)
- 犬用チーズ
- 乾燥さつまいも
- 犬用の高カロリーペースト
ただし、おやつの比率が高くなりすぎると栄養バランスが偏るため、1日のカロリーの10〜15%以内に抑えましょう。
痩せすぎの犬に適したフードの選び方
フード自体を見直すことで、より効率的に体重を増やせる場合があります。
高カロリーフードの選び方
痩せすぎの犬に適したフードの条件は以下のとおりです。
チェックポイント
- カロリー: 100gあたり370kcal以上が目安
- タンパク質: 25%以上(動物性タンパク質が主原料)
- 脂質: 15%以上(良質な動物性脂肪を含む)
- 消化吸収率: 消化しやすい原材料を使用している
- 主原料: チキン、サーモン、ラムなどの肉や魚が第一原料
パピー用フードの活用
成犬でも一時的にパピー用(子犬用)フードを利用する方法があります。パピー用フードは成長期の犬のために高カロリー・高栄養に設計されているため、痩せすぎの成犬の体重増加にも活用できます。
ただし、パピー用フードはカルシウムやリンの含有量が高い場合があるため、長期間の使用は避け、目標体重に達したら通常の成犬用フードに戻しましょう。
消化吸収に優れたフードの特徴
いくら高カロリーのフードを与えても、消化吸収が悪ければ体に栄養が取り込まれません。
消化吸収が良いフードの特徴
- 原材料がシンプルで、アレルゲンになりやすい成分が少ない
- 良質な動物性タンパク質が主体
- プロバイオティクス(乳酸菌など)やプレバイオティクス(オリゴ糖など)が配合されている
- 穀物不使用(グレインフリー)、または消化しやすい穀物(白米など)を使用
腸内環境を整えるサプリメント
腸内環境が悪いと栄養の吸収効率が落ちます。以下のサプリメントが腸内環境の改善に役立つ場合があります。
- プロバイオティクス(乳酸菌・ビフィズス菌): 善玉菌を補充
- 消化酵素サプリ: 食べ物の分解・吸収をサポート
- オリゴ糖: 善玉菌のエサになる
なお、サプリメントの使用は、獣医師に相談してから始めることをおすすめします。
犬を太らせるときの注意点
体重を増やすことに焦るあまり、やりがちな間違いや注意点を押さえておきましょう。
急激な増量は禁物
1週間で一気に体重を増やそうとするのは危険です。急激なカロリー増加は以下のリスクを伴います。
- 消化不良による嘔吐・下痢
- 膵炎の発症(特に高脂肪の食事を一気に増やした場合)
- 内臓への負担
理想的な体重増加のペースは、1週間に体重の1〜2%程度です。 3kgの犬なら1週間に30〜60g、10kgの犬なら100〜200gが目安になります。
人間の食べ物を安易に与えない
「とにかく食べさせたい」と思って人間の食べ物を与えるのは危険です。
- 塩分の高い食品: 犬の腎臓に負担がかかる
- 脂肪の多い食品: 膵炎のリスクが高まる
- 犬に有毒な食品: チョコレート、玉ねぎ、ブドウなどは少量でも中毒を起こす
高カロリーのものを与えるにしても、犬に安全な食材を選びましょう。
太りすぎにも注意する
痩せすぎを改善しようとした結果、今度は太りすぎになってしまうケースもあります。目標体重を設定し、定期的に体重を測定しながら進めましょう。
体重管理のポイント
- 週1回、同じ条件(同じ時間帯、食事前)で体重を測定
- 目標体重に達したら、フードの量やカロリーを通常レベルに戻す
- BCSも併せてチェックし、体型の変化を確認する
まず獣医師に相談すべきケース
以下のような場合は、食事の工夫だけで対処しようとせず、必ず獣医師に相談してください。
- 食欲があるのにまったく太らない
- 急激に体重が減った
- 嘔吐や下痢が続いている
- 元気がない、毛並みが悪い
- 多飲多尿がある
- 高齢犬で痩せてきた
これらの症状がある場合は、背景に病気が隠れている可能性が高く、血液検査や画像検査による原因の特定が必要です。
よくある質問(FAQ)
犬を太らせたいときに飼い主さんからよく寄せられる疑問をまとめました。気になるポイントをチェックして、愛犬の健康的な体重管理にお役立てください。
Q1: 犬を太らせるのにどのくらいの期間がかかりますか?
A: 痩せすぎの程度にもよりますが、健康的なペースで体重を増やす場合、1〜3ヶ月程度を目安にしてください。1週間で体重の1〜2%程度の増加が理想的なペースです。焦って短期間で増やそうとすると消化器に負担がかかるため、じっくり取り組むことが大切です。定期的に体重を測定し、BCSも確認しながら進めましょう。
Q2: ドライフードとウェットフード、太らせたいときはどちらが良いですか?
A: カロリー密度の面ではドライフードのほうが効率的です。ウェットフードは水分が多いため、同じ重量でもカロリーが低くなります。ただし、食欲がない犬にはウェットフードのほうが食いつきが良いことが多いため、ドライフードにウェットフードをトッピングする「混合型」がおすすめです。嗜好性と効率のバランスが取れます。
Q3: 太らせるためにおやつをたくさん与えても大丈夫ですか?
A: おやつだけで太らせようとするのは避けてください。おやつは栄養バランスが偏っていることが多く、必要な栄養素(特にタンパク質やビタミン・ミネラル)が不足します。おやつは1日のカロリーの10〜15%以内に抑え、主食であるフードの量やカロリーを増やすことを優先してください。
Q4: 手作りごはんで太らせることはできますか?
A: 手作りごはんでも体重を増やすことは可能ですが、栄養バランスを適切に管理するには専門的な知識が必要です。特に、カルシウムとリンのバランス、必須脂肪酸、ビタミン・ミネラルの過不足には注意が必要です。手作り食を取り入れる場合は、ペット栄養管理士や獣医師の指導を受けることを強くおすすめします。
Q5: シニア犬が痩せてきた場合、太らせたほうがいいですか?
A: シニア犬の体重減少は、加齢による筋肉量の低下のほか、慢性疾患(腎臓病、心臓病、がんなど)が原因であることも少なくありません。まず獣医師の診察を受けて、体重減少の原因を特定することが最優先です。病気が原因の場合は、その治療と並行して栄養管理を行う必要があります。健康上の問題がない場合は、シニア犬用の消化しやすい高栄養フードへの切り替えを検討しましょう。
まとめ
犬種によって適正体型は異なるため、見た目だけで判断せず、肋骨テストやウエストチェックで客観的に評価しましょう。
週1回の体重測定とBCSチェックで、太りすぎを防ぎつつ目標体重を目指してみてくださいね。
著者
DogLife編集部



