23 May.
犬が旅行中に体調を崩す原因と緊急時の対処法
犬が旅行中に体調を崩したらどうする?よくある症状と原因、緊急度の判断基準、旅先での動物病院の探し方まで解説します。

犬が旅行中に体調を崩したらどうしよう——これは犬連れ旅行を計画するとき、多くの飼い主さんが感じる不安です。旅行先で愛犬の具合が悪くなったら、見知らぬ土地でパニックになってしまいそうですよね。
実際に、旅行中に体調を崩す犬は少なくありません。環境の変化やストレス、移動の疲れなどが原因で、普段は元気な子でも体調不良を起こすことがあります。
この記事では、旅行中に犬が体調を崩す原因、症状別の緊急度の判断基準、そして事前にできる備えを詳しく解説します。これを読んでおけば、万が一のときも落ち着いて対処できるはずです。
犬が旅行中に体調を崩す主な原因

旅行中の体調不良には、自宅にいるときとは異なる原因があります。どんな場面でリスクが高まるのか、事前に把握しておきましょう。
ストレスによる消化器症状
旅行中の体調不良で最も多いのが、ストレスによる胃腸の不調です。獣医師によると、環境の変化や移動のストレスで自律神経のバランスが乱れ、下痢や嘔吐を引き起こすことがあるとのこと。
ストレス性の消化器症状が出やすい場面
- 長時間の車移動後
- チェックイン直後(新しい環境への緊張)
- 他の犬との接触後(ドッグランなど)
- 飼い主と一時的に離れたとき
車酔い
車での長時間移動は、車酔いの大きな原因です。人間と同じように、犬も三半規管の刺激で吐き気を催します。特に子犬や車に慣れていない犬は酔いやすい傾向があります。
車酔いのサイン
- あくびが増える
- よだれが多くなる
- ソワソワと落ち着きがなくなる
- 唇をぺろぺろ舐める
気温の変化による体調不良
旅行先と自宅の気温差が大きいと、犬の体に負担がかかります。特に注意が必要なのは以下のケースです。
状況 | リスク |
|---|---|
夏の車内温度上昇 | 熱中症(命に関わる) |
標高の高い避暑地への移動 | 急な気温低下で体が冷える |
冬の外気と暖房の温度差 | 自律神経の乱れ |
真夏のアスファルト歩行 | 肉球のやけど |
食べ慣れないものの摂取
旅先のレストランで人間の食べ物をもらったり、散歩中に道端の草や虫を食べてしまったりすることで体調を崩すケースもあります。
感染症のリスク
ドッグランや犬が多い観光地では、他の犬からの感染症リスクがあります。ワクチン接種が不完全な場合は特に注意が必要です。
症状別の緊急度の判断方法・判断チェックリスト

旅行中に愛犬の体調が悪くなったとき、最も大切なのは「すぐ病院に行くべきか」「様子を見ていいか」の判断です。以下の表を参考にしてください。
すぐに動物病院へ(緊急度:高)
以下の症状が見られたら、旅行を中断してすぐに動物病院を受診してください。
- 呼吸が異常に荒い・呼吸困難 — 熱中症や心臓疾患の可能性
- ぐったりして起き上がれない — 重度の脱水、中毒、内臓疾患
- 嘔吐や下痢が2時間以内に3回以上 — 重度の消化器症状
- 血便・血尿 — 消化管出血、膀胱炎
- けいれん・意識がない — 中毒、てんかん、脳疾患
- 大量出血 — 外傷
- 異物を飲み込んだ可能性がある — 腸閉塞のリスク
- 歯茎が白い、または紫色 — 貧血、酸素不足
半日〜1日以内に受診を(緊急度:中)
- 嘔吐が1〜2回あるが元気はある
- 軟便・下痢が続いている(血は混じっていない)
- 食欲が半日以上ない
- 足を引きずっている
- 目や耳に異常がある(充血、腫れ、大量の目やに)
- 発熱している(犬の平熱は38〜39℃)
様子見でOK(緊急度:低)
- 1回だけの嘔吐で、その後元気・食欲あり
- 一時的な食欲低下(環境変化のストレス)
- 軽い車酔い(車を降りたら回復)
- 少し元気がないが、水は飲める
犬のお出かけで下痢になる原因と対策もあわせて確認しておくと安心です。
旅行前に備えておくべきこと

体調不良は予防が何より大切です。出発前に以下の準備をしておきましょう。
旅先の動物病院リストを作成
確認すべき情報
- 旅行先の最寄りの動物病院(複数ピックアップ)
- 夜間・休日対応の救急動物病院
- 電話番号と住所
- 診療時間
- 予約の要否
Googleマップで「動物病院」と検索すれば見つかりますが、口コミや評判も確認しておくと安心です。
かかりつけ医に旅行の相談
旅行前にかかりつけの獣医師に以下を相談しておきましょう。
- 旅行しても問題ない体調か
- 持病がある場合の注意点
- 車酔い止めの処方
- 旅先で体調を崩した場合の応急処置法
- 常備薬の追加処方
救急キットの準備
アイテム | 用途 |
|---|---|
体温計(犬用) | 発熱の確認 |
ガーゼ・包帯 | 外傷の応急処置 |
消毒液(ペット用) | 傷の消毒 |
経口補水液(犬用) | 脱水時の水分補給 |
常備薬 | 持病がある場合 |
ワクチン接種証明書のコピー | 受診時に必要 |
かかりつけ医の連絡先メモ | 旅先で電話相談 |
ペット保険の確認
ペット保険に加入している場合は、旅先での受診が補償対象になるか確認しておきましょう。保険証券(またはアプリ)を忘れずに持参してください。
旅行中に体調を崩したときの対処法

実際に旅行中に愛犬の体調が悪くなったときの、具体的な対処の流れを解説します。
症状を確認・記録する
まず落ち着いて、以下を確認・記録します。
- いつから症状が出たか
- どんな症状か(嘔吐、下痢、元気がないなど)
- 何か変なものを食べていないか
- 直前に何をしていたか
- 体温は異常がないか
スマホで症状を動画撮影しておくと、獣医師に伝える際に非常に役立ちます。
緊急度を判断する
前述の緊急度チェックリストに照らし合わせて判断してください。
判断に迷ったら、かかりつけ医に電話で相談するのも有効です。
応急処置をする
- 嘔吐の場合:しばらく水も食事も与えず、胃を休ませる。30分〜1時間後に少量の水から再開
- 下痢の場合:脱水に注意。犬用経口補水液で水分補給
- 熱中症の疑い:すぐに涼しい場所に移動し、体を濡れタオルで冷やす。首・脇の下・太ももの付け根を重点的に
- 出血:ガーゼで圧迫止血。止まらない場合はすぐ病院へ
必要に応じて動物病院を受診
事前に調べておいた動物病院に電話し、症状を伝えてから来院しましょう。
受診時に伝えるべき情報
- 犬種・年齢・体重
- いつから症状が出ているか
- 症状の内容と経過
- 最近食べたもの
- 持病・服用中の薬
- ワクチン接種歴
体調不良を予防するための旅行中の過ごし方

体調不良のリスクを最小限にするために、旅行中に意識してほしいポイントをまとめます。
食事と水分
食事と水分で気をつけるべきこと
- フードは普段と同じものを持参(旅先で変えない)
- 水も自宅から持参するか、ミネラルウォーターを使用(水の変化で下痢になることがある)
- 人間の食べ物は与えない
- 食事の量と時間をできるだけ普段通りに
気温対策
元気よく過ごすための気温対策
- 夏場は日中の行動を控え、朝夕に散歩
- 車内に犬を残さない(短時間でも危険)
- クールマットや冷却ベストを活用
- 冬場は防寒着を持参
休息を十分に取る
旅行を楽しむために意識したいスケジュール
- 観光を詰め込みすぎない
- 犬が疲れたサインを見せたら無理をしない
- 長時間の移動後は十分な休憩時間を設ける
旅行前の健康チェックと予防接種

旅行中の体調トラブルを防ぐためには、出発前の健康管理が重要です。
事前にできる対策をやっておきましょう。
出発1〜2週間前の健康診断
長期旅行や遠方への旅行の場合、出発1〜2週間前にかかりつけの動物病院で健康診断を受けるのがおすすめ。普段の血液検査や体重チェックに加え、旅行中に懸念される症状について相談できます。
獣医師から「旅行に問題ない」と判断されてから出発すれば、安心して旅を楽しめます。検査結果や処方薬の情報をまとめて持参しておくと、旅先で動物病院に行く必要があったときにスムーズです。
ワクチン接種の確認
多くのペット可宿では、狂犬病ワクチンや混合ワクチンの接種証明書の提示が必須です。出発前にワクチン履歴を確認し、必要な接種が完了しているかチェックしましょう。
混合ワクチンは1年に1回が一般的ですが、最近は3年に1回の長期型もあります。
狂犬病予防接種は法律で義務付けられているため、毎年4〜6月の集団接種を忘れず受けましょう。接種証明書のコピーを2部用意し、1部は宿に提示、1部は予備として持参すると安心です。
ノミ・ダニ・フィラリア予防
旅行先で自然豊かなエリアに行く場合、ノミ・ダニ・フィラリアの予防薬の服用を忘れずに。月1回の予防薬を継続的に投与している犬なら、旅行中も安心です。
予防薬を切らしている場合は、旅行の2〜3週間前に動物病院で処方してもらいましょう。
レプトスピラ症ワクチンも、川遊びや山間部での散歩を計画している場合は検討の価値があります。
旅行中の体調不良に関するよくある質問(FAQ)

旅行中の体調不良に関するよくある質問について回答します。
旅先で動物病院に行ったら費用はどのくらいかかりますか?
初診料が1,000〜3,000円程度で、そこに検査・治療費が加算されます。
症状によりますが、軽い消化器症状なら5,000〜10,000円程度が目安です。夜間・休日救急の場合は割増料金がかかることが多いです。
ペット保険が使える場合もあるので、保険証を忘れずに。
旅行中に犬が食欲をなくすのは心配すべきですか?
環境の変化で一時的に食欲が落ちることはよくあります。水は飲めていて、元気がある場合は1日程度様子を見てもOKです。
ただし、水も飲まない、ぐったりしている、嘔吐や下痢を伴う場合は早めに受診してください。
持病のある犬でも旅行は可能ですか?
持病の種類や程度によります。必ず旅行前にかかりつけの獣医師に相談し、旅行の可否と注意点を確認してください。
心臓病、てんかん、糖尿病などの犬は、常備薬を多めに持参し、旅先の動物病院もリストアップしておきましょう。
旅行から帰った後に体調を崩すこともありますか?
あります。旅行の疲れやストレスが帰宅後に出ることもあります。帰宅後2〜3日は愛犬の様子を注意深く観察し、異常があればかかりつけ医に相談してください。
まとめ
犬が旅行中に体調を崩すリスクはゼロにはできませんが、事前の備えと正しい知識があれば、落ち着いて対処できます。この記事のポイントを振り返りましょう。
- 旅行中の体調不良は「ストレス」「車酔い」「気温変化」「食べ物」が主な原因
- 緊急度の判断チェックリストを把握しておく。迷ったらかかりつけ医に電話相談
- 旅先の動物病院リストを事前に作成。夜間・休日対応の病院も確認
- 救急キットと常備薬を必ず持参
- フードと水は普段と同じものを持っていく
備えあれば憂いなし。万が一の準備をしっかりしておくことで、安心して愛犬との旅行を楽しめます。愛犬と一緒に、たくさんの素敵な思い出を作ってくださいね。





著者
DogLife編集部

